Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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認知心理学 I 宮脇 郁
選択  2単位
【教育文化】 17-1-1360-3487-10A

1. 授業の概要(ねらい)

 認知心理学とは知的機能の解明を目指す心理学であり、平たく言えば頭のしくみを探る心理学である。私たちは普段の生活の中で、当たり前のように物事を記憶したり、考えたり、言葉を話したりしているが、実はこの時、頭の中では複雑なしくみが働いている。この授業では認知心理学の基礎について学び、人間の知的機能がどのようなしくみで成り立っているか探っていく。特に重点的に扱うテーマは、記憶、思考、言語である。心理学の知見のみでなく、関連領域である神経科学などの知見も適宜取り入れる。講義が中心だが、時々ビデオの視聴や簡単なデモ実験などを行うことにより、体験的な理解も目指す。

2.
授業の到達目標

 ・記憶のしくみを説明できる。
 ・思考のしくみを説明できる。
 ・言語のしくみを説明できる。
 ・自らが日々行っている知的活動に関心を持ち、認知心理学の専門用語で表現できる。

3.
成績評価の方法および基準

 試験(70%)、平常点(30%)で評価する。提出物については、提出の翌週の授業時にフィードバックを行う。

4.
教科書・参考書

 テキストは使用しない。
 授業全般に関する参考文献は以下の通りである。
 箱田裕司他著『New Liberal Arts Selection 認知心理学』有斐閣
 個別のトピックに関する参考文献は、授業の際に随時紹介する。

5.
準備学修の内容

 ・授業で紹介する参考文献を読んで、人間の知的機能のしくみを理解すること。
 ・復習として、授業で学んだことを自らが日々行っている知的活動に当てはめ、具体例を挙げられるようになること。

6.
その他履修上の注意事項

 ・受動的に講義を聴くのではなく、自ら積極的に考えるように努めてほしい。このため、授業時に簡単な演習を課すことがある。
 ・心理学で学ぶ概念の多くは、誰もが日々の生活の中で体験することである。したがって学ぶ際には、できるだけ自分自身の経験に当てはめるように努めてほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション、認知心理学とは
【第2回】
 記憶1(短期記憶と作動記憶)
【第3回】
 記憶2(長期記憶、記憶と脳)
【第4回】
 記憶3(記憶の障害)
【第5回】
 記憶4(上手に覚える工夫)
【第6回】
 認知心理学の日常への応用
【第7回】
 知識のしくみ1(知識の力)
【第8回】
 知識のしくみ2(高次の知識構造)
【第9回】
 思考1(確率判断)
【第10回】
 思考2(意思決定)
【第11回】
 思考3(先を読む力)
【第12回】
 認知機能の発達
【第13回】
 言語1(言語の獲得)
【第14回】
 言語2(言語と脳、言語の障害)
【第15回】
 まとめと振り返り