1. |
授業の概要(ねらい) |
|
【〈食〉を通してみる比較文学・比較文化】 参加者の自主的な発表を中心とする比較文学のセミナーです。身近にある食材を例にとりあげ、歴史と文化を研究します。食材を通して、遠く離れた世界の国や地域が相互に関係し、社会的影響を与え合っていることを確かめます。また文学や映画や絵画の中でそれがどのように表現されてきたかを調査します。たとえばジャガイモです。南米アンデス地方の高地が原産とされるジャガイモは、16世紀末にヨーロッパに伝えられました。ジャガイモのおかげで、慢性的な食糧難に喘いでいたヨーロッパでは餓死者が激減したとされています。一方、19世紀のアイルランドでは、ジャガイモの飢饉が原因で二百万人以上が米国などに移住しました。のちのアメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディは、この時の移民の子孫だといいます。このようにジャガイモという食材は、ときに歴史を動かす力にもなり、ときに社会を映し出す鏡にもなります。日本に本格的に導入されたのは明治以後で、北海道開拓に利用されました。こうした背景に照らして、ジャガイモの登場する文学や映画や絵画を見てみると、これまで気づかなかったさまざまな発見が得られるかもしれません。参加者には、コメやムギ、イモ、コーヒーや紅茶など、それぞれの食材にまつわる歴史と文化を、グループ別に調査し、研究成果を発表してもらいます。秋期セメスターは、食材の登場する文学・映画・絵画などを調査します。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
1.研究テーマに見合った文献・資料にアクセスできる。 2.文献・資料の内容を適切に整理・要約することができる。 3.文献・資料に基づき、自分の意見・解釈を交えて、発表することができる。 4.他人の意見・解釈を踏まえて、自分の意見・解釈を再検討できる。 5.研究テーマを通して学んだものを文章にまとめることができる。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
1.全15回の授業中10回以上の出席を成績評価のための必要最低条件とします。出席はカードリーダーの記録となります。 2.成績評価は、平常点(毎回の予習と授業内提出物、ならびに授業態度)50%、発表(プレゼンテーション)25%、レポート25%
|
4. |
教科書・参考書 |
|
テキストは指定しません。
|
5. |
準備学修の内容 |
|
授業のそれぞれの段階で、個人またはグループ単位で、次のような準備が必要です。 1.指定された文献・資料を読み、内容を要約する。 2.文献・資料の内容について、コメント文を作成する。 3.指定されたテーマについて、MELICで参考文献を調査する。 4.パワーポイントなどの発表資料を作成する。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
1.オリエンテーションを含む第1回目の授業は重要です。必ず第1回目の授業から出席してください。 2.出席は「完全カードリーダー制」です。入室時と退室時に学生証をカードリーダーに当てて読み取らせてください。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | イントロダクション:授業のテーマ、到達目標、進め方について説明を行う | 【第2回】 | 事例(1)食材の登場する映画 | 【第3回】 | 事例(2)食材の登場する小説 | 【第4回】 | 事例(3)食材の登場する絵画 | 【第5回】 | コメント文の作成 これまでの事例を踏まえて、作品に登場する食材について、意見をを文章にまとめる | 【第6回】 | 事例紹介 個人ごとに、食材の登場する作品例を紹介する | 【第7回】 | 研究テーマの決定 グループごとに具体的な研究テーマと役割分担を決める | 【第8回】 | 発表資料の作成(1) 発表の組み立てを検討する(次回までに発表資料原案を作成する) | 【第9回】 | 発表資料の作成(2) 発表資料の原案を持ち寄り、グループで検討し、完成する | 【第10回】 | プレゼンテーション(1) | 【第11回】 | プレゼンテーション(2) | 【第12回】 | プレゼンテーション(3) | 【第13回】 | プレゼンテーション(4) | 【第14回】 | レポート作成 プレゼンテーションを踏まえて、個人でレポートを作成する | 【第15回】 | セメスターのまとめ セメスターをふりかえり、研究成果をまとめる |
|