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授業の概要(ねらい) |
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有史以来エポックとなる本と図書館に焦点を当てながら,文字,情報,紙,本と読書,図書館の発生と歴史,及び,その形態と機能について,特に人と社会との関わりに着目し,文明史的な観点から概観する。 併せて,情報通信技術が著しく発展した現代社会と今後の情報社会における「情報」と「図書館」及び「司書」の役割,機能等について考える。 「アレクサンドリア」「薔薇の名前」など,本と図書館を扱った映画の一部も参考観賞する。 なお,日本の図書・図書館史については,秋学期の「図書館情報資源特論」で,書誌学的観点からより深く扱う。
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授業の到達目標 |
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1)図書と図書館の発展史を辿ることで,現代社会における情報と人との関わりを認識する視座を確立する。 2)各時代におけるエポックとなる本,図書館について歴史的,社会的意義を説明できるようにする。 3)情報のデジタル化を背景として検討されている,MLA(博物館,図書館,文書館)連携に向けた世界と日本の動きを理解する。
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成績評価の方法および基準 |
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毎授業におけるショートコメント(30%),小レポートまたは課題(20%),最終試験(50%)により総合的に評価する。 特段の理由なく授業回数(15回)のうち5回以上の欠席,および,指定期日までにレポートを提出しない場合は最終評価の対象から除外する。
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教科書・参考書 |
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テキスト:樺山紘一編著『図説本の歴史』河出書房新社,2011 (ふくろうの本) 参 考 書:東洋文庫編『記録された記憶』山川出版社, 2015 ロデッリク・ケイヴ,サラ・アヤド著『世界を変えた100の本の歴史図鑑』原書房,2015 ジェームズ・W・P・キャンベル著『世界の図書館―美しい知の遺産』河出書房新社,2014 スチュアート・A・P・マレー著『図説図書館の歴史』原書房,2011 カレン・ブルックフィールド著『文字と書物』同朋舎出版,1994(ビジュアル博物館 第48巻)
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準備学修の内容 |
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1)「図書館雑誌」,雑誌「出版ニュース」,新聞,Googleニュース等で,図書,図書館,出版,電子書籍,携帯読書端末などに関する最新の動向を常にチェックしておくこと。 2)授業期間中に図書及び図書館に関する図書,ないしは授業で触れた図書2冊以上を読破すること。それらについて授業中での紹介のほか,小レポート課題としてあるいは最終試験で記述することを求める。 3)授業期間前又は期間中に, 印刷博物館(文京区), 紙の博物館(北区), 東洋文庫(文京区), 国文学研究資料館(立川市), 国立国会図書館(千代田区)などの関係機関を利用または見学すること。
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その他履修上の注意事項 |
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1)第1回目の授業では,授業の進め方,成績評価方法などについて説明するので必ず出席すること。 2)指定する文献やウェブサイトは授業前に必ず読むこと。 3)インターネットの活用ができること,WORD・EXCELで文書等の作成ができること,Web File Serverを使用(授業資料のダウンロード,レポート等のアップロード)することができること,を最低条件とする。 4)適宜グループディスカッションを行うので積極的に参加すること。 5)授業に関する連絡手段としてメーリングリストを作成する。履修確定後速やかに登録すること。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | イントロダクション(何を学ぶのか,授業の進め方,成績評価方法など) 記憶から記録へ | 【第2回】 | 文字・情報媒体の歴史と図書館の始まり | 【第3回】 | 図書館の社会的役割と本の存在 | 【第4回】 | 古代(1)古代エジプト,ギリシャ,ローマ | 【第5回】 | 古代(2)アレクサンドリア図書館 | 【第6回】 | 古代(3)中国 四書五経の世界 | 【第7回】 | 中世(1)キリスト教とイスラム世界,図書の形成と大学の発生 | 【第8回】 | 中世(2)紙の時代の出現 | 【第9回】 | 中世(3)日本 紙の伝来と図書の普及から寺院・朝廷・武家文化の時代へ | 【第10回】 | 近世(1)ルネッサンス,印刷術の発明から大衆読書の時代 | 【第11回】 | 近世(2)日本 江戸時代 出版文化の繚乱 | 【第12回】 | 近代思想と公共図書館 | 【第13回】 | 現代(1)国際図書館協力の時代 | 【第14回】 | 現代(2)技術革新と図書館 現代から未来へ 情報デジタル化時代の図書館 | 【第15回】 | 最終試験 試験問題の解説とまとめ *授業計画は学習進行状況によって変更することがある。 |
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