Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

不動産法 II 羽生 明彦
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-4758-02

1. 授業の概要(ねらい)

 不動産を取巻く各種権利を中心題材にします。抵当権・根抵当権等の担保物権や賃借権等の不動産利用権、マンションに代表される建物の区分所有権等に関する法律の理解を目標とします。それらの前提として不動産の周辺権利の理解には、民法や借地借家法等の知識が不可欠です。それらの法的構成・法的問題から手続に至るまでの論点に付、基礎的理解が高まるよう、講義を進める予定です。
 また、不動産登記法等を中心とした手続法の理解も重要であり、登記簿等の実例を挙げながら講義を進めます。特に不動産登記簿の解読法については、必ず身につけてもらえれば幸いです。講義内容が机上の空論にならないように取引での実例を例示し、法律の実務運用にも理解が及ぶよう、学習していきましょう。
 法律を学ぶ者として常に六法を開くということが身に付くよう、授業には必ず六法(有斐閣や岩波書店から発刊されているポケット六法、判例付ポケット六法がお薦めで2,000円~3,500円程度です)を持参して下さい。授業の中で条文の解説の際には六法を使用します。
 また、不動産を取巻く各種資格試験にも有用な内容を目標とすること、時間に余裕があれば米国やアジア諸国の不動産法にも「知識」として日本法との比較の意味で解説したいと考えています。

2.
授業の到達目標

 不動産の賃貸借契約書や登記簿等、実社会において触れる可能性があるものについて、法的根拠・裏付けを持って解読できることが目標です。そこに至るための基礎的な法的考察力、また根拠となる条文を検索できるという手段を身に付けて下さい。

3.
成績評価の方法および基準

 平常点(出席)と考査によって総合評価します。授業の間に予告無く小テストを行うこともあり、この成績も加味します。考査は、最終講義のまとめの後に実施します。考査未受験者は評価対象外とします。

4.
教科書・参考書

テキスト:澤野順彦『不動産法の理論と実務』商事法務
参考文献:近藤 誠『不動産登記を見る・読むならこの1冊』自由国民社
 いずれもジュンク堂、紀伊国屋書店等大手書籍店を通じて取り寄せることがベターです。

5.
準備学修の内容

 予習は次回の範囲を指定しますので、必ず1回は読んできて下さい。ただし、復習により重点を置きたいので
授業で確認した条文を必ずチェックするようにして下さい。条文を暗記することは不要です。何度も読み込んでいれば、重要な条文は自然と頭に入ります。何が何処に規定されているかを理解することが重要です。

6.
その他履修上の注意事項

 前掲のとおり、授業には必ず六法を持参して下さい。授業では必ず六法を開きます。授業を終えた後、「法律と触れ合った」という実感が持てることを期待します。

7.
各回の授業内容
【第1回】
導入。不動産法とは?各種物権について
【第2回】
不動産を取巻く権利
【第3回】
不動産における担保物権①
【第4回】
不動産における担保物権②
【第5回】
実例:登記簿を読む~登記簿の構成
【第6回】
実例:登記簿を読む~担保物権
【第7回】
区分建物とは?、区分所有とは?
【第8回】
実例:登記簿を読む~区分建物
【第9回】
不動産利用権①
【第10回】
不動産利用権②
【第11回】
実例:不動産賃貸借契約書①
【第12回】
実例:不動産賃貸借契約書②
【第13回】
実例:不動産賃貸借契約書③
【第14回】
総括
【第15回】
まとめ・考査