Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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日本の産業構造 I 堀内 英次
選択  2単位
【経営】 17-1-1110-0480-25A

1. 授業の概要(ねらい)

 90年代以降急速に進展した経済のグローバル化は、日本企業の海外展開を急速に推し進め、その結果大きく進展した国際分業は、日本の産業構造に大きな影響を与えてきた。
 特に近年グローバル競争は激化しており、その中で日本企業は韓国や中国などのアジア系企業、またグローバル展開の進む欧米企業との競争に苦戦している。一方で日本政府も、低成長と高齢化の下で、日本経済全体の構造改革を進めていく立場にありながらも、その改革は遅々として進んでいない。このような状況の中、企業も政府も構造改革が強く叫ばれ、その点について近年盛んに議論が行われている。
 そのような問題意識の下で、本講義では、戦後から現在に至るまでの日本の産業構造の変遷を、企業の技術革新、産業政策、更に日本企業のグローバル化と国際分業の進展という観点から概観した上で、今後の日本企業や政府の構造改革、そして日本の産業構造のあるべき姿について考察する。

2.
授業の到達目標

 様々な統計データを駆使することを通じて、戦後日本の経済発展を産業構造の転換という観点から考察できるようにすること、及び経済学的な観点から産業構造の変化を分析する目を養うことを目標とする。

3.
成績評価の方法および基準

 期末の試験(持ち込み不可)、及び小テスト(4回を予定)により評価する。

4.
教科書・参考書

 単一のテキストはなく、様々な資料を元に作成したスライドをプロジェクターを使って上映し、講義を行う。必要な参考文献については、適宜、講義中に紹介する。さしあたり、以下の参考図書を紹介しておく。
 参考図書:鶴田 俊正・伊藤 元重(2001)『日本産業構造論』NTT出版
      永池克明(2011)『国際企業経営の大転換』九州大学出版会

5.
準備学修の内容

 講義で随時紹介する関連図書や日経新聞を並行して読むことが望ましい。

6.
その他履修上の注意事項

 グローバル競争の進展の中で日本企業はどのように構造改革を進めていくべきか、政府はどのような役割を果たすべきか、そのようなテーマに関心を持つ意欲的な学生の参加を求む。
 内容は難しくはないが、期末テストは持ち込み禁止であり、成績評価も厳しいので注意すること。
 また、3年次に堀内の演習受講を希望する学生は、履修しておくことが望ましい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 授業ガイダンス
【第2回】
 第1章 産業構造の変遷
 第1節 産業分類について
 第一次産業から第三次産業まで、産業分類の方法について学習する
【第3回】
 第1章 産業構造の変遷
 第1節 産業分類について
 第一次産業から第三次産業まで、産業分類の方法について学習する
【第4回】
 第2節 日本の戦後経済史:年表
 日本の戦後経済史を年表と統計資料で簡単に振り返る
【第5回】
 第3節 産業構造の変遷
 産業構造の変遷を概観する
【第6回】
 第2章 産業構造の変遷と政府の政策
 第1節 産業政策とは何か
【第7回】
 第2節 政府の政策の歴史と産業構造の変遷
【第8回】
 第2節 政府の政策の歴史と産業構造の変遷
【第9回】
 第3章 産業構造の変遷と企業の技術革新
 第1節 技術導入
 戦後日本企業の技術導入の変遷を概観する
【第10回】
 第2節 企業の研究開発
 戦後日本企業の研究開発の変遷を概観する
【第11回】
 第3節 21世紀を支える新技術
 今後の日本経済を支える新技術について紹介する
【第12回】
 第4章 産業構造の変遷と国際分業の進展
 第1節 対外貿易と直接投資の変遷
 戦後日本の対外貿易と直接投資の変遷を日本の経済発展と関連付けながら概観する
【第13回】
 第2節 国際分業の進展と国内の産業構造への影響
 プラザ合意以降の国際分業の進展がもたらす国内の産業構造への影響を概観する
【第14回】
 第3節 日本企業のグローバル化
 電気・電子産業、自動車産業などを取り上げ、日本企業のグローバル化を概観する
【第15回】
 復習