Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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ロシア・極東経済 I 杉浦 史和
選択必修  2単位
【経済】 17-1-1110-1576-34A

1. 授業の概要(ねらい)

 日本人のロシアに対する理解度は非常に低く、また過去の偏見に囚われていることも多いのですが、ロシアは我が国の隣国であり、新興国の一つとして大きな可能性を秘めている国でもあります。プーチン大統領の下で国際的にも無視できない影響力を行使していることから、変化の激しいこの国を、我々はいつの時代も正確に理解していく必要があります。
 この授業では、まずロシアの国の成り立ちを歴史的に理解するように努めます。またソ連崩壊後、社会主義から資本主義へ体制移行したことを題材にして、ソ連型経済システムと比較しながら現在の経済システムを理解します。またロシアは現在、これからの世界経済の新たな成長の震源地としてBRICsの一角を形成していますが、ロシアに豊富にあるエネルギー資源が国の経済にどのような影響を与えているのかを理解していきます。これに関連して、マクロ経済、産業構造、格差問題などまで視野に入れて現状を幅広く学びます。
 この授業を通じて、正確なロシア経済の知識を吸収する姿勢を獲得して下さい。

2.
授業の到達目標

 ロシア経済を成り立たせている歴史的・地理的条件を理解できること。ロシアのマクロ経済構造、財政・金融、産業、労働市場並びに社会経済体制について特徴を理解できること。ロシアに豊富にあるエネルギー資源が果たしている役割について理解できること。

3.
成績評価の方法および基準

 期末テスト45点、毎回授業終了時に提出してもらうリアクション・ペーパー16点、LMSを通じた自宅での課題学習の提出39点。

4.
教科書・参考書

 テキスト:吉井昌彦、溝端佐登史編『現代ロシア経済論』ミネルヴァ書房、2011年(シリーズ:現代の世界経済4)
 参考文献は適宜指示・配布する。

5.
準備学修の内容

 毎回授業終了時にリアクション・ペーパーを記入してもらいます。授業の内容に関する感想や質問、意見を記してください。これは出席点となるほか、重要な質問については次回授業で振り返りを行います。またLMSを利用して、毎回、簡単なクイズを出題します。これに答えることで、授業内容の定着を図り、また授業への出席を促します。授業に参加することで解答のヒントが得られるので、必ず出席してください。

6.
その他履修上の注意事項

 この講義はパワーポイントを利用した教科書の解説を柱としています。授業ではできるだけ前列に座るようにして下さい。また日常生活のなかで、新聞・雑誌などに載っている関連記事に目を通しておくことを希望します。質問は授業中でもそれ以外でも歓迎します。
 教室内では、脱帽、携帯電話や電子機器の使用禁止、私語を慎むなど、他の受講生の迷惑にならないだけでなく、積極的に授業に参加して学習効果を高めるよう心がけて下さい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 授業案内・オリエンテーション:ロシアはどんな国か?
【第2回】
 ロシア経済の概観(現状と課題)
【第3回】
 歴史と政治の特徴(1):ロシアの建国から社会主義革命(ロシア十月革命)まで
【第4回】
 歴史と政治の特徴(2):ソ連と体制転換、エリツィン体制とプーチン体制
【第5回】
 マクロ経済と主要産業構造(1):成長の源泉
【第6回】
 マクロ経済と主要産業構造(2):発展の形態と経済政策の課題
【第7回】
 財政と金融(1):財政赤字から財政黒字へ
【第8回】
 財政と金融(2):国内資金の動員を妨げているものは何か
【第9回】
 民営化と企業(1):民営化の必要性と実際
【第10回】
 民営化と企業(2):企業統治問題と企業の社会における役割
【第11回】
 労働市場と社会政策(1):柔軟な労働市場
【第12回】
 労働市場と社会政策(2):改革すすむ年金制度
【第13回】
 経済格差と階層化(1):広がる経済格差
【第14回】
 経済格差と階層化(2):経済格差と民主主義
【第15回】
 総まとめとテスト