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授業の概要(ねらい) |
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「日本の地域経済」では、日本における国土開発政策の変遷、都市化問題と地方過疎問題、地方財政・地域分権問題、官民による地域おこしの取り組みの現状などについて学ぶとともに、地域開発投資の投資採算評価や地域経済効果の測定問題などについて実習を行います。 春期は、戦後の高度経済成長のなかで表面化してきた地域格差問題(都市化と地方過疎化)のほか、政府主導による国土開発計画の歴史を辿ります。 秋期は、今日地方経済にとって重要な課題となっている地方財政問題や地方分権問題を取り上げながら、近年、民間活力を生かした地域活性化策として普及してきたPFI(Project Finance Initiative)やPPP(Public Private Partnership)方式による地域社会資本整備の現状について学びます。さらに、地域開発プロジェクトを進めていくうえで欠かせない事前評価問題を取り上げ、投資採算の評価手法や企業会計(複式簿記)の基礎を学ぶとともに、モデルケースを用いて、①CFS法(Cash Flow Simulation Method)による事業の成立可能性評価(財務評価)、②市域産業連関表を用いた地域経済波及効果の評価(政策評価)のシミュレーションを行います。
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2. |
授業の到達目標 |
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地域問題に対する理解を深めるとともに、地域問題解決のための分析ツールや理論を学ぶことを通じて、地域経済を考えるうえで必要な基礎知識を習得します。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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期末に行うペーパーテストの結果を成績評価の基礎点とし、これに普段の授業への取り組み姿勢(出席状況、義務的課題の実施状況、任意レポート提出など)をボーナス点として加算して総合評価を行います。ただし、期末テストの成績が著しく低い場合はボーナス点の加算は行われませんので注意してください。また、以下の事項に該当する場合は大幅減点となります。 ①授業中の私語など他の学生への「迷惑行為」 ②授業中およびテスト時における「不正行為」 ・授業に際してカードリーダーに出席登録をしながら授業を抜け出す「出席偽装行為」 ・試験でのカンニングや持ち込み禁止物の持ち込みなど、あらゆる「不正行為」 ・提出レポートにおけるネット情報のコピー&ペーストなど、論文作成に係る「基本ルールに対する違反行為」
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4. |
教科書・参考書 |
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【テキスト】特に指定しません 【参考文献】『地域再生の経営戦略』日本政策投資銀行(金融財政事情研究会) 『地域プロジェクトの財務』日本政策投資銀行(ぎょうせい) その他の参考文献は、講義に都度紹介します。
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5. |
準備学修の内容 |
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講義の都度配布する資料を丁寧に読んで講義内容を理解するとともに、授業中に紹介する参考文献等をできる限り手に取って読み理解を深めて下さい。 なお、講義内容について理解を深め知識の定着を図るため、授業中に簡単なテストを行ったり宿題を課すことがあります。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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単に授業を聞くという受け身の姿勢ではなく、講義を通して自分の関心や疑問を掘り起こし、原典や関連文献、または統計データに直接あたって調べ確認してみるといった積極的な姿勢で取り組まれることを期待します。なお、授業中の私語など他の学生に迷惑をかけていると判断される場合は、即刻退室を求めるとともに、成績評価に際して大幅減点とします。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | ガイダンス | 【第2回】 | 戦前の帝都東京開発と戦後復興 | 【第3回】 | 戦後の労働力大移動 | 【第4回】 | 東京五輪・大阪万博とインフラ整備 | 【第5回】 | 国土総合開発法と地域開発 | 【第6回】 | 所得倍増計画と一全総(第一次全国総合開発計画) | 【第7回】 | 列島改造と二全総 | 【第8回】 | 高度経済成長が生んだ歪 | 【第9回】 | 田園都市国家構想と三全総 | 【第10回】 | 東京一極集中と四全総 | 【第11回】 | バブルに揺れる都心経済 | 【第12回】 | 五全総と道州制 | 【第13回】 | 地域中心市街地の衰退と再生 | 【第14回】 | 地方再生の取り組み | 【第15回】 | まとめ |
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