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授業の概要(ねらい) |
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国際貿易とは、異なる国の間で行われる財・サービスの交換のである、外国への財・サービスの販売である輸出と外国からの財・サービスの購入である輸入を通じて様々な商品を交換している。21世紀の初頭、財・サービスの貿易、労働者の移動、資金の流出入、国境を越えた投資を通じて各国の結びつきは今まで以上に、急速に緊密になっている。このことは我が国の経済統計を見ても明らかなように、これまでになく国際経済との相互依存の関係が高まっている。 「貿易論Ⅰ・Ⅱ」では、基本的な国際貿易の理論と現状について学ぶ。古典的な貿易理論から最近の実証研究を学びつつ、日本を取り巻く企業の海外進出、産業の空洞化問題、地域貿易協定などの政策課題を取り上げる。 前期の「貿易論Ⅰ」では、まず様々な問題を分析するに必要なツールである貿易理論についてその基礎を学ぶとともに、最新のトピックスである産業内貿易の動向を取りあげ、日本や欧米の事例を挙げて解説を通じて理論の理解を深めることが出来るようにした。また貿易政策と国際貿易の制度についても触れ、現実の国家間の政策の理解や評価に役立てることができる構成になっている。 後期の「貿易論Ⅱ」では、前期で学んだ国際貿易の理論的背景をもとに、日本の貿易構造の急速な変化やその諸政策、グローバル化のなかでの貿易政策について取り上げている。
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授業の到達目標 |
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国際貿易に関する基礎的な理論と統計データに基づく現状について広く学ぶ。そして急速な国際環境の変化に対する企業の取り組み、政府の支援について理解し、その是非について、それぞれが考え、自身の意見を持てるようになることを目標とする。
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成績評価の方法および基準 |
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期末に行うペーパーテストもしくは小テスト、レポートなどの課題の提出、出席状況によって総合評価を行う。10回以上の出席を評価対象とする。 なお開講後の状況により、出席状況の確認の方法や回数、小テストの回数、もしくはレポートによる課題となるかについて判断する。 私語は厳禁です。退場を求めます。
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教科書・参考書 |
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テキスト:石川 城太・菊地 徹・椋 寛(2007)『国際経済学をつかむ』有斐閣 参考文献: P.R.クルーグマン、M.オブズフェルド(著)山本 章子(翻訳) 『クルーグマンの国際経済学 上 貿易編』 経済産業省『経産白書』各年版(経済産業省) 中小企業庁『中小企業白書』各年版(中小企業庁)
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準備学修の内容 |
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講義の際に紹介する文献、新聞記事、海外ドキュメンタリーなど国際貿易に関する記事や映像に目を通すこと。
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その他履修上の注意事項 |
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小テストが3回以上あります。講義を通して日本経済や世界経済の動きに関心を持ち、考える姿勢を持つことを期待する
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 講義は概ね以下のような内容を予定している。ただし、受講者の状況をみて、理解をより深めるため、内容や順序を見直す場合がある。また視聴覚教材(関連するドキュメンタリーや特集番組、映画)などを使用し、それをもとに課題提出をおこなう場合もある。 授業ガイダンス | 【第2回】 | 国際貿易の概観 | 【第3回】 | 比較優位 | 【第4回】 | 比較優位 | 【第5回】 | 比較優位と所得分配 | 【第6回】 | 比較優位と所得分配 | 【第7回】 | 貿易利益 | 【第8回】 | 貿易利益 | 【第9回】 | 比較優位の決定要因 | 【第10回】 | 比較優位の決定要因 | 【第11回】 | 産業間貿易と産業内貿易 | 【第12回】 | 産業間貿易と産業内貿易 | 【第13回】 | 規模の経済と製品差別化 | 【第14回】 | 産業内貿易-アジア電子産業・自動車産業 | 【第15回】 | 貿易論のまとめ(テスト) |
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