Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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アジア経済論 I 菊池 正
選択必修  2単位
【経済】 17-1-1110-4212-27A

1. 授業の概要(ねらい)

 アジア地域は民主化と市場経済化の影響を、いま一番多く受けている地域といえるかもしれない。アジア地域は、東アジア、東南アジア、南アジア、中央アジア、西アジアに分かれ、約50の国家・地域からなっている。その人口は世界の約60%、面積は約23%を占める。食糧に関しては、アジア地域は米の生産量は世界の約90%、小麦の生産量は約45%、トウモロコシは約30%を占め、農業の重要な生産地である。工業に関しては、既に発展を遂げている新興工業経済地域(NIES)、大国であるインド、中国、そして東南アジア地域のCLMV諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)が近年は相対的に高い経済成長を遂げている。これらアジア経済の高い潜在力、その豊富な労働力と内需に魅かれて、多くの日系企業がアジア地域へと進出している。日本の対外貿易に関し、アジア地域は輸出入それぞれ約40%を占めている。日本はアジア地域の一員であると共に、アジア地域の諸国は日本の重要なパートナーである。
 授業では、アジア地域諸国の概要を社会経済事情やデータから紹介しつつ、時には、諸君との意見交換や議論を通じて、一緒に今後の“アジア経済のヴィジョン”を考えたい。

2.
授業の到達目標

 授業で学んだアジア経済に関する知識から、アジア像を描き考察、そして自分の言葉で「アジア経済とは何か」が表現できることを目指す。

3.
成績評価の方法および基準

成績は平常点(授業貢献や提出物:40%)と期末評価(レポート/試験:60%)の結果により、総合的に評価する。詳細は、最初の講義で説明する。

4.
教科書・参考書

 授業中にプリントを配布する。 アジア経済に関する文献は多いので、好きな一冊を選び読んでもらいたい。
サブテキスト
 ODA白書 (外務省HP内) http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo.html
 アジアの国地域紹介・日本との関係(外務省HP内)
 http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/index.html
 経済財政白書 内閣府ホームページ
 http://www5.cao.go.jp/keizai3/whitepaper.html#chiiki
 世界銀行(WB),アジア開発銀行(ADB)のHP内の各国情報など。
 Countries and economies of WB http://data.worldbank.org/country
 Countries and regions of ABD http://www.adb.org/countries/main
参考文献
(インド、中国他経済事情)
 アマルティア・セン,ジャン・ドレーズ,湊 一樹翻訳(2015)『開発なき成長の限界――現代インドの貧困・格差・社会的分断』,明石書店
 Andrew MacIntyre, T. J. Pempel, John Ravenhill (2008), Crisis as Catalyst: Asia's Dynamic Political Economy, Cornell University Press.
 神田 眞人(2015)『アジア経済ハンドブック〈2015年版〉』,財経詳報社
 水島 司, 加藤 博, 久保 亨,島田 竜登編著(2015)『アジア経済史研究入門』, 名古屋大学出版会
 丸川 知雄, 梶谷 懐(2015)『超大国・中国のゆくえ4 経済大国化の軋みとインパクト』,東京大学出版会
 柳澤 悠(2014)『現代インド経済―発展の淵源・軌跡・展望』,名古屋大学出版会
(アジア地域に関する経済統合)
 浦田 秀次郎,可部 繁三郎,牛山 隆一(2015)『ASEAN経済統合の実態』,文眞堂
 深沢 淳一,助川 成也 (2014)『ASEAN大市場統合と日本: TPP時代を日本企業が生き抜くには』,文眞堂
(国際協力)
 大塚啓二郎(2014)『なぜ貧しい国はなくならないのか 正しい開発戦略を考える』,日本経済新聞出版社
 朽木 昭文,馬田 啓一,石川 幸一(2015)『アジアの開発と地域統合 新しい国際協力を求めて』,日本評論社
 黒崎 卓,大塚啓二郎編著(2015)『これからの日本の国際協力 ビッグ・ドナーからスマート・ドナーへ』,日本評論社
(日系企業ビジネス、アジア各国情報)
 旺文社地図編集部(2015)『今日のニュースがスイスイわかるなるほど知図帳世界2017』,昭文社
 近藤昇(2015)『もし波平が77歳だったら?』,カナリアコミュニケーションズ
 辻原(2010)『新版国旗と国名由来図典』,出窓社
 二宮書店編集部(2015)『データブック オブ・ザ・ワールド2016』,二宮書店
 みずほ総合研究所(2015)『図解 ASEANを読み解く』,東洋経済新報社

5.
準備学修の内容

 アジア地域に関する新聞記事や、関心がる書籍を読み、知的好奇心を日頃から培って欲しい。

6.
その他履修上の注意事項

 授業は講義形式で行うが、自主レポートの提出など積極的な授業への参加を歓迎する。一度も休まない意志を持つ学生の受講を期待する。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス:アジア地域の概要紹介
【第2回】
 アジアの大国(I):資本主義を進める中国、インド
【第3回】
 アジアの大国(II):資本主義を進める中国、インド
【第4回】
 新興工業経済地域(NIES)の経済発展(I)
【第5回】
 新興工業経済地域(NIES)の経済発展(II)
【第6回】
 アジアの新興国(CLMV諸国)と市場経済化(I)
【第7回】
 アジアの新興国(CLMV諸国)と市場経済化(II)
【第8回】
 アジア地域と世界のグローバルな動き(I)
【第9回】
 アジア地域と世界のグローバルな動き(II)
【第10回】
 アジア経済の魅力(I):日系企業の投資進出
【第11回】
 アジア経済の魅力(II):日系企業の投資進出
【第12回】
 日本とアジア諸国との関り方(I):国際協力
【第13回】
 日本とアジア諸国との関り方(II):国際協力
【第14回】
 議論・意見交換 : アジア経済の魅力と課題
【第15回】
 まとめ