Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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アジア経済論 II 菊池 正
選択必修  2単位
【経済】 17-1-1110-4212-28A

1. 授業の概要(ねらい)

 アジア地域は民主化と市場経済化の影響を、いま一番多く受けている地域といえるかもしれない。アジア地域は、東アジア、東南アジア、南アジア、中央アジア、西アジアに分かれ、約50の国家・地域からなっている。その人口は世界の約60%、面積は約23%を占める。アジア地域が持つ社会経済面の多様性に関し、中国、インド、新興工業経済地域(NIES)、近年の経済発展が目覚ましいCLMV諸国等をアジア経済Iで紹介した。これらアジアの社会経済事情を踏まえ、アジア経済IIでは、最近注目されているASEANを取り上げ、投資と貿易に着目し、アジア地域が世界経済の中で持続的な経済成長を遂げるための課題、そしてこれを克服するためには何が必要かを、諸君と意見交換をしながら、議論したい。本クラスを受講する学生にはアジア経済論Iの履修を勧める。

2.
授業の到達目標

 授業で学んだアジア経済に関する知識をもとに、アジアが持続的な発展を遂げるために、「何が大切か、日本はアジアの一員として何ができるか」を考察、そして自分の言葉で表現できることを目指す。

3.
成績評価の方法および基準

 成績は平常点(授業貢献や提出物:40%)と期末評価(レポート/試験:60%)の結果により、総合的に評価する。詳細は、最初の講義で説明する。

4.
教科書・参考書

 授業中にプリントを配布する。アジア経済の発展と課題に関する文献は多いので、好きな一冊を選び読んでもらいたい。
サブテキスト
 ODA白書 (外務省HP内) http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo.html
 アジアの国地域紹介・日本との関係(外務省HP内)
 http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/index.html
 経済財政白書 内閣府ホームページ 
 http://www5.cao.go.jp/keizai3/whitepaper.html#chiiki
 世界銀行(WB),アジア開発銀行(ADB)のHP内の各国情報、ASEAN関連記事など。
 Countries and economies of WB http://data.worldbank.org/country
 Countries and regions of ABD http://www.adb.org/countries/main
 “ASEAN Economic Community: 12 Things to Know”
 http://www.adb.org/publications/asean-economic-community-work-progress
 ASEAN community managing integration for better jobs and shared prosperity,
 http://www.adb.org/sites/default/files/publication/42818/asean-community-2015-managing-integration.pdf , International Labour Organization and Asia Development Bank(2014),
参考文献
(インド、中国他経済事情)
 アマルティア・セン,ジャン・ドレーズ,湊 一樹翻訳(2015)『開発なき成長の限界――現代インドの貧困・格差・社会的分断』,明石書店
 Andrew MacIntyre, T. J. Pempel, John Ravenhill (2008), Crisis as Catalyst: Asia's Dynamic Political Economy, Cornell University Press.
 神田 眞人(2015)『アジア経済ハンドブック〈2015年版〉』,財経詳報社
 水島 司, 加藤 博, 久保 亨, 島田 竜登編著(2015)『アジア経済史研究入門』,名古屋大学出版会
 丸川 知雄, 梶谷 懐(2015)『超大国・中国のゆくえ4 経済大国化の軋みとインパクト』,東京大学出版会
 柳澤 悠(2014)『現代インド経済―発展の淵源・軌跡・展望』,名古屋大学出版会
(アジア地域に関する経済統合)
 浦田 秀次郎,可部 繁三郎,牛山 隆一(2015)『ASEAN経済統合の実態』,文眞堂
 深沢 淳一,助川 成也(2014)『ASEAN大市場統合と日本: TPP時代を日本企業が生き抜くには』,文眞堂
(国際協力)
 大塚啓二郎(2014)『なぜ貧しい国はなくならないのか 正しい開発戦略を考える』,日本経済新聞出版社
 朽木 昭文,馬田 啓一,石川 幸一(2015)『アジアの開発と地域統合 新しい国際協力を求めて』,日本評論社
 黒崎 卓,大塚啓二郎編著(2015)『これからの日本の国際協力 ビッグ・ドナーからスマート・ドナーへ』,日本評論社
(日系企業ビジネス、アジア各国情報)
 旺文社地図編集部(2015)『ニュースがスイスイわかるなるほど世界知図帳2016』,昭文社
 近藤昇(2015)『もし波平が77歳だったら?』,カナリアコミュニケーションズ
 辻原(2010)『新版国旗と国名由来図典』,出窓社
 二宮書店編集部(2015)『データブック オブ・ザ・ワールド2016』,二宮書店
 みずほ総合研究所(2015)『図解 ASEANを読み解く』,東洋経済新報社

5.
準備学修の内容

 アジア地域に関する新聞記事や、関心がる書籍を読み、知的好奇心を日頃から培って欲しい。

6.
その他履修上の注意事項

 授業は講義形式で行うが、自主レポートの提出など積極的な授業への参加を歓迎する。一度も休まない意志を持つ学生の受講を期待する。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス:アジア地域の概要紹介
【第2回】
 ASEAN概要と構成国の紹介(I):インドネシア、タイ
【第3回】
 ASEAN概要と構成国の紹介(II):CLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)
【第4回】
 ASEAN概要と構成国の紹介(III):フィリピン、マレーシア 
【第5回】
 ASEAN概要と構成国の紹介(IV):シンガポール、ブルネイ
【第6回】
 ASEANの経済発展(I):投資と貿易
【第7回】
 ASEANの経済発展(II):投資と貿易
【第8回】
 ASEANの工業発展(I)現状、都市化、消費社会の形成
【第9回】
 ASEANの工業発展(II)現状、都市化、消費社会の形成
【第10回】
 ASEAN経済統合とASEAN経済共同体の形成(I):創設
【第11回】
 ASEAN経済統合とASEAN経済共同体の形成(II):展望と課題
【第12回】
 ASEANに進出する日系企業(I)
【第13回】
 ASEANに進出する日系企業(II)
【第14回】
 議論・意見交換 : ASEAN統合と各国経済の課題
【第15回】
 まとめ