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授業の概要(ねらい) |
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日本経済は、「アベノミクス」のおかげで、ようやくデフレからの脱却の可能性が見えてきたとも言われますが、これまでは長期にわたって低成長が続いてきました。これにはいくつもの要因が挙げられますが、低成長に転じたきっかけが、1980年代後半におけるバブル経済の発生と90年代初頭に起きたその崩壊にあったことは間違いありません。そして、これには金融が深くかかわっており、日本の金融機関は、膨大な不良債権の処理を迫られ、大幅な再編成を余儀なくされました。 金融論Ⅱ(秋期)では、金融論Ⅰ(春期)で説明した金融業務や金融資本市場の仕組みに関する理解を前提にして、戦後日本の金融制度の変遷を振り返り、わが国が今日の低成長に至った歴史的背景を説明します。 その上で、新しい金融手法の諸形態、多様に拡がっていく業務展開の方向を示し、これからの金融業務について展望します。
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授業の到達目標 |
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これからの日本を考えていくうえで不可欠となる日本の金融に関する歴史的な理解を養うとともに、日々の金融に関する様々な報道の意味を理解し、自分の頭で考えていくことができるようにします。
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成績評価の方法および基準 |
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毎回、質問票を配布しますので、わからないことや意見などがあったらぜひ書き込んでください。次の授業で説明します。積極的な質問や発言を高く評価します。 試験は、手書きノートや配布資料(ともに持ち込み可)をしっかり読みこなし自分でまとめておけば回答できます。出席のみによる加点はしません。
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4. |
教科書・参考書 |
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毎回、図表を中心とした資料を配布します。 参考文献は、授業の進展に合わせ、必要に応じてその都度、指示します。
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準備学修の内容 |
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日本経済新聞など、金融に関する新聞記事やテレビの報道などをできるだけ関心を持って見るようにしてください。この授業を通じて、だんだん理解が深まってくるはずです。
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その他履修上の注意事項 |
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金融論Ⅰ(春期)は、金融論Ⅱ(秋期)の授業を理解していくうえで不可欠の基礎知識を習得するためのものですので、金融論Ⅰを履修していない場合は金融論Ⅱの履修は認めません。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 春期の振り返りと秋期のオリエンテーション 〈第Ⅳ部 戦後日本の経済発展と金融業界の盛衰〉 | 【第2回】 | 戦後金融機関制度の確立 | 【第3回】 | 高度成長期を支えた人為的低金利政策と窓口指導 | 【第4回】 | 安定成長期への移行に伴う金融環境の変化と金利自由化への流れ | 【第5回】 | バブル経済の形成と崩壊 | 【第6回】 | 「住専危機」と金融破たんの発生 | 【第7回】 | 不良債権処理の加速と金融再編 | 【第8回】 | 規制緩和の完成と新たな金融監督行政の始まり | 【第9回】 | リーマンショックと欧州金融危機 | 【第10回】 | ゼロ金利政策の流れと黒田総裁の「異次元金融緩和」 〈第Ⅴ部 これからの金融業務〉 | 【第11回】 | 中小企業金融の特徴 -「情報の非対称性」とモニタリング | 【第12回】 | 「リレーションシップバンキング」と地域金融 | 【第13回】 | 新しい金融手法 -クレジット・スコアリング、コベナンツ融資等 | 【第14回】 | 新興市場への株式公開 | 【第15回】 | 秋期のまとめ |
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