Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
スポーツ経営論 I 谷崎 敦彦
選択  2単位
【経済】 17-1-1120-3242-25A

1. 授業の概要(ねらい)

 明治以降永く続いた「アマチュアリズムの呪縛」から解かれた日本のスポーツ産業は従来の「Gate収入」に加え「TV放映権」や「スポンサーシップ」「マーチャンダイジング」など収入源の多様化が達成された。結果として莫大な経済効果を生み出すビッグビジネス(一大産業)に成長した。所謂、「スポーツ」と「ビジネス」が融合した新時代の到来だ。昨年度は1993年設立のサッカーJリーグに続き、プロ・バスケットボールリーグ「Bリーグ」も開催された。オリンピックメダリスト 内村航平選手 萩野広介選手もプロ転向を表明している。「スポーツと経営」はもはやスポーツに関わる人々が学ぶべき必須科目となった。
 スポーツ経営論とは「スポーツの保有する価値を最大限に高める組織的な営み」を学ぶことに他ならない。本講義では、この今日的な「スポーツビジネス」を再定義し、経営学、マーケティング理論等の一般的な学習を踏まえ、プロスポーツリーグ、イベント、メーカー、メディアなど「スポーツビジネス」を取り巻く現場を題材とし、望ましい「スポーツマネジメントのあり方」について学ぶ。
 前期に於いては特に「経営学の基礎」と「スポーツビジネス」との連携を模索し、既履修科目の復習と共にスポーツビジネスに特化した課題・広がりがより明確に理解出来る様丁寧に解説を行う。
 将来プロスポーツ組織への就職を希望する学生は当然として、「地方自治体でのスポーツ促進」、「スポーツによる村興し」、「スポーツツアリズム」などに興味を持つ学生には必修の授業となる。

2.
授業の到達目標

 「アマチュアリズム」の崩壊の過程と共に、近年急速に発展して来た「スポーツのビジネス化」に至る歴史を先ず理解する。又経営学(マネジメント)とは「経営の対象となる財やサービス・ブランドの価値を最大限に高める組織的な営み」であることを理解する。また基礎的なマーケティング用語を具体的な例と共に学ぶ。前期に於いてはプロスポーツ組織・責任者に「現場のマネジメントとは?」「マーケティングの実践」といった身近なテーマにて講演を依頼する。

3.
成績評価の方法および基準

 出  席:7割以上の出席を前提とする。出席点として30点
 レポート:期中に2回の課題レポート提出 20点
 期末試験:50点満点:*「自筆のノート」のみ持ち込みを許可する
 以上を総合的に評価する。

4.
教科書・参考書

 参考文献:『スポーツの経済学』小林至 PHP研究社

5.
準備学修の内容

 自分の興味があるプロスポーツ組織の「売上規模」「利益額」などの動向を観察する。
 観客の目線で「分析+仮説創り」を思考して見ること。問題意識を持って授業に参加して欲しい。
 何故英国の動画会社が極東・日本のJリーグに2100億円(10年契約)もの巨額先行投資を行うのか?
 Jリーグの配分金は何故傾斜を多く付けて配分されるのか? 時代背景と実効性についても自説を持って
 議論に参加することを願う。

6.
その他履修上の注意事項

 プロ組織の経営努力とその結果を常に検証する目を持つこと。
 組織の効率化、リーダーシップ、観客への働き掛けなどに付いて自分の仮説を持つこと。何故企業は多額の資金をスポーツ組織にスポンサーシップ(協力・賛同)するのか?自分なりの仮説を持って授業に参加して欲しい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス、授業の進め方、評価方法、留意点
【第2回】
 スポーツとは?経営学とは?
【第3回】
 スポーツと体育(アマチュアリズムとは)
【第4回】
 スポーツ産業の規模・歴史・内訳
【第5回】
 スポーツ実務者よりの講演(1)
【第6回】
 スポーツプロダクトとは?
【第7回】
 スポーツ消費者の特性
【第8回】
 スポーツマネジメントの基本理念
【第9回】
 スポーツマーケティングの基礎戦略
【第10回】
 スポーツプロモーション、価格
【第11回】
 日本のプロ野球
【第12回】
 日本のJリーグ
【第13回】
 マネジメント実務者よりの講演(2)
【第14回】
 日本のプロ組織・経営分析
【第15回】
 纏めとテスト