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授業の概要(ねらい) |
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本講義では、現代の企業経営を理解するのに必要な概念や理論を提示して、会社や経営者の事例研究(case study)を利用することで、有効性を検証してみたい。企業は、経営組織を通じて経営資源(ヒト、モノ、カネ、技術、情報)を効率よく配分して、社会に対して財・サーヴィスを提供するという事業目的を達成する。このプロセスを司るのが経営者であるが、統一的なマネジメントとガヴァナンスの下に遂行されている点に留意する必要がある。経営組織内部の職能間の調整に加えて、企業間の所有と支配にも注意を向けねばならない。秋学期開講のIIでは、コーポリット・ガヴァナンスの国による差異、財閥や企業集団の形成の論理、80年代に話題を呼んだ日本的経営論、生産システムのビジネス・モデル、イノヴェーションとR&Dなどの論点に着目して講義を進める。
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2. |
授業の到達目標 |
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〇国により異なる企業統治の違いを比較して、日本的経営の特徴を考える。 〇企業支配の具体的な手段やメカニズムについて把握する。 〇企業のビジネス・モデルの発展について理解を深める。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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2回の授業時の小テストと期末筆記試験による。
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4. |
教科書・参考書 |
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特定の教科書を使用せずに、パワーポイントで講義する。講義時に配布するスライド・レジュメを見ながら、一緒に考えて下さい。参考文献としては、以下のものを挙げますが、毎回の講義でも適宜紹介します。 A.D.チャンドラー『経営者の時代』上下(東洋経済新報社) マイケル・E.ポーター『競争の戦略』(ダイヤモンド社) 奥村宏『法人資本主義の構造』(岩波現代文庫) 橘川武郎『日本の企業集団』(有斐閣) 大野耐一『トヨタ生産方式』(ダイヤモンド社)
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5. |
準備学修の内容 |
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講義で紹介する参考文献を読書してみて下さい。講義の理解が深まります。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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授業への出席と参加は、不可欠です。また、担当教員が収集したヴィデオ教材も講義で活用します。オフィス・アワー時の研究室訪問を歓迎します。積極的に利用して下さい。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | 講義の狙いや意義、参考文献の紹介、学習へのアドヴァイス等について | 【第2回】 | 経営者と企業倫理 | 【第3回】 | ビジネス・スクール | 【第4回】 | 企業は誰のものか(米国・ドイツ・日本) | 【第5回】 | 企業は誰のものか(バーリィ=ミーンズ) | 【第6回】 | 企業と証券市場 | 【第7回】 | 企業の所有と支配(財閥の形成) | 【第8回】 | 企業の所有と支配(財閥の発展) | 【第9回】 | 企業集団の誕生(系列と企業ネットワーク) | 【第10回】 | 法人資本主義の構造 | 【第11回】 | 日本的経営 | 【第12回】 | 自動車産業のビジネス・モデル 1(フォードとGM) | 【第13回】 | 自動車産業のビジネス・モデル 2(トヨタ生産方式) | 【第14回】 | イノヴェーションとR&D(パソコンの誕生) | 【第15回】 | 講義のまとめ |
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