1. |
授業の概要(ねらい) |
|
物権とは、人の物に対する直接的・排他的支配権であり、権利者以外のすべての人に対して主張できる絶対的な権利である。資本主義社会は私有財産制を基礎とするが、この私有財産制を法的に支えるのは、(私的)所有権を中心としつつ、派生的な用益物権を含み、「物に対する支配権」をその内容とする物権である。このように、物権法は社会的に重要な意義をもち、物権法の基本的理解は民法学習者にとって不可欠である。難解な部分もあるが、この授業では、全体像を大きく捉えて理解することを目指していきたい。 なお、授業内容の理解を確認するため、授業中に適宜、演習問題を配布し、解いていく。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
①民法の物権に関する基礎的な知識を習得する。 ②法律関係の各種試験に必須である物権法の基礎を理解したうえで、ある程度応用的な問題を解く実力を身につけたい。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
LMSを利用し、授業中に解く演習問題に準じた問題からなる期末試験により(100%)評価する。詳細は授業中に説明する。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
松井宏興他『プリメール民法2 物権・担保物権法』第3版 法律文化社
|
5. |
準備学修の内容 |
|
復習を中心に、授業でのノートを参考にしながらテキストをよく読みこんでもらいたい。また、授業中に解く演習問題をLMSにアップロードするので、理解して正答できるように繰り返し学習することが望まれる。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
法学部生にとっては、常識として知っておくべき内容を扱う。特に資格試験対策には不可欠な分野。いかにも「法律」らしい科目であり、抽象的で難解な事項が多い。授業を聴いていれば理解できるように努めるので、授業を重視してもらいたい。 【関連科目】後期に開講される「担保物権法」を併せて履修することにより、物権法の全体像を把握することが期待される。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | イントロダクション:民法における物権の意義、債権との対比について簡単に解説し、授業の進め方、テキスト、学習方法、試験等について指示する。 | 【第2回】 | 物権とは何か、物権の種類、物権の客体 物権法の原則 物権の効力 | 【第3回】 | 物権の変動:不動産物権変動 | 【第4回】 | 物権の変動:公示の原則と公信の原則 | 【第5回】 | 不動産物権変動 所有権移転の時期 法律行為と登記 | 【第6回】 | 民法177条の「第三者」 | 【第7回】 | 動産物権変動 即時取得 | 【第8回】 | 所有権:意義と内容 相隣関係 | 【第9回】 | 所有権の取得 共有(1) | 【第10回】 | 共有(2) 建物区分所有(マンションの所有権) | 【第11回】 | 用益物権:地上権・永小作権・地役権 入会権 | 【第12回】 | 占有:意義と種類 占有の取得 | 【第13回】 | 占有の効果:占有訴権 占有の効果:権利の推定 | 【第14回】 | 占有の消滅 準占有 | 【第15回】 | まとめ |
|