Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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行政法A 飛弾 直文
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-1974-11A

1. 授業の概要(ねらい)

 行政は、国の安全から産業の発展、環境の保全、福祉の推進、公共施設の整備など、私たちの日常生活、社会生活の隅々にまで関わっています。そしてこの行政は、国民生活の基盤をつくりあげていく側面と、我々国民の権利や自由を制限する側面と、ふたつの面をもっています。こうした行政活動に根拠を与えるとともに、逆にまた行政をコントロールしていく役割を果たしているのが行政法と呼ばれる数多くの法律です。
 行政法の講義では、これら行政に関わる法律に共通する基本原理を習得するとともに、その原理に関わる基礎的な制度、仕組みを学ぶこととしています。
 行政の果たす役割がますます大きくなり、その幅も広がっている現代において、行政は私たちの生活と切り離すことができないほど密接な関係をもっています。行政法を学んでおくことは現在の行政を法的な面から理解する上で欠くことのできないものであり、またそこで培った知識は社会的な問題に関わるときにも活用できるものです。
 この行政法Ⅰ/Aでは、行政法とは何か、行政を規律する原理はどのようなものなのか、行政は国民へどう働きかけるのか、国の組織はどのようになっているのか、という観点を中心に説明していきます。
 また、行政の仕組みを理解する上で重要な地方自治制度、公務員制度についても解説します。
 なお、行政法に関連した社会の動きは意外に多いものです。それぞれのテーマに即した記事も講義の中でとり上げていきたいと考えています。

2.
授業の到達目標

 ①行政法に関する基礎的な知識を獲得し、行政法の分野の概要を把握することができる。
 ②併せて、現実の社会において、行政法がどのように機能しているか理解できる。

3.
成績評価の方法および基準

 期末試験70%、平常点30%(出席状況、中間試験)で評価します。

4.
教科書・参考書

 テキスト:曽和俊文・山田洋・亘理格 著『現代行政法入門[第3版]』(有斐閣)
 法律学の勉強には、判例の研究が欠かせないことから、次のものを参考書として挙げておきます。
 参考書:小早川・宇賀・交告編『行政判例百選 I[第6版]』(有斐閣)
     橋本博之『行政判例ノート[第3版]』(弘文堂)

5.
準備学修の内容

 (1)指定したテキストを事前に読んでおくことが理解と知識の習得につながります。
 (2)講義の内容を、テキストで改めて確認しておくことは、理解を深め、知識を定着させるのに最も有効です。心がけて下さい。
 (3)できるだけ新聞に広く目を通すとともに、特に行政に関する記事は関心を持って読んで下さい。

6.
その他履修上の注意事項

 必ずテキストと六法を持参すること。常に六法を携行することは、法律を学ぶ基本です。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 行政法を学ぶために
【第2回】
 国の行政はどのような組織で行われているのか(国の行政組織)
【第3回】
 行政の担い手が重要(公務員の制度)
【第4回】
 地方のことは地方で(地方自治制度その1)
【第5回】
 地方の行政組織(地方自治制度その2)
【第6回】
 地方行政と住民、地方と国の関係(地方自治制度その3)
【第7回】
 行政組織を法律の観点でみる
【第8回】
 行政法の最も重要な原則(法律による行政の原理)
【第9回】
 行政もルールをつくる(行政立法)
【第10回】
 地方もルールをつくる(条例)行政は計画もつくる
【第11回】
 行政の権力発動(行政行為)その1
【第12回】
 行政の権力発動(行政行為)その2
【第13回】
 行政が決めたことを実現するために(強制手段)
【第14回】
 行政活動の潤滑油(行政指導)
【第15回】
 まとめと試験