Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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東洋法制史A 赤城 美恵子
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-2775-11A

1. 授業の概要(ねらい)

 中国は長い歴史を持っています。その中でも、秦の始皇帝が中国を統一し皇帝を称してから(前221年)、清の最後の皇帝である溥儀が退位するまで(1912年)のおよそ2000年間、ひとり皇帝が支配する帝制がとられてきました。そこでの法制度は、我々が日頃学んでいる現代日本の法制度とは驚くほどに異なっています。社会が異なれば法も異なるというよい例であると思います。この講義では、このような現代の日本とは時間的にも空間的にもかけ離れた帝制中国の法制度を学びますが、それによって、比較法的視野を養い、現代日本の法制度を深く理解する手掛かりとなると思います。
 春期の「東洋法制史Ⅰ」では、帝制中国の裁判手続について、最後の王朝である清(1616~1912年)の時代を中心に講義します。

2.
授業の到達目標

 ①東洋法制史に関するある程度応用的な知識を獲得し、そこでの様々な法制度やその背景を理解することができる。
 ②中国清朝における裁判制度について、何故そのような仕組みとなっているのか、その背景も含めて理解できる。

3.
成績評価の方法および基準

 平常点(10%)及び期末試験(90%)

4.
教科書・参考書

 テキストは使用しません。必要に応じて資料を配付します。
 参考文献は随時指示しますが、主要なものとして次のものを挙げておきます。
  ・滋賀秀三『清代中国の法と裁判』
  ・滋賀秀三『続・清代中国の法と裁判』
  ・滋賀秀三『中国法制史論集――法典と刑罰』
  ・滋賀秀三編『中国法制史――基本資料の研究』
  ・石岡浩ほか『史料から見る中国法史』

5.
準備学修の内容

 授業での配布物・ノートを繰り返し読み、次回の授業に備えること。
 参考書として指示した文献を読むこと。

6.
その他履修上の注意事項

 おそらく、耳慣れない用語・概念が頻出することと思います。随時解説しますが、受講者のほうでも一方的に解説を聴くだけではなく、抱いた疑問点をそのままにせずに、積極的に質問し、講義に参加してください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス――授業の進め方
【第2回】
 法の世界の登場人物:皇帝、官僚、人民
【第3回】
 裁判組織
【第4回】
 律例(刑法典)の特色
【第5回】
 刑罰体系
【第6回】
 法の来源
【第7回】
 裁判の始まり
【第8回】
 聴訟の手続①
【第9回】
 聴訟の手続②
【第10回】
 断獄の手続①
【第11回】
 断獄の手続②
【第12回】
 秋審(死刑再審理手続)
【第13回】
 法と裁判①
【第14回】
 法と裁判②
【第15回】
 まとめ