Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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企業会計法A 上條 克彦
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-3072-11A

1. 授業の概要(ねらい)

 企業、特に会社は、経済活動の中心的な役割を果たし、私たちの生活に大きく関わっています。
 会社の実体は、「カネとモノ」で、株主が間接的に所有するものですが、会社は独自の意思を持ち(社団)、権利能力を有し(法人)、「カネとモノ」を動かして利益を追求します(営利)。
 このため、会社は、株主のほか、債権者、投資家(潜在的株主)、取引先、国家(全国民)など、多くの者(ステーキホールダー)の利害が交錯する場となります。
 企業会計は、企業の活動状況や成果をとりまとめ利害関係者に報告するものですが、利害関係者の利益の保護のため、会社法、金商法などの法律により規制されています。
 この授業では、企業会計の観点から会社法と金商法の内容について検討し、会社と株式のしくみについて学びます。また、できるだけ図解して数式や計算に頼らない平易な講義を行います。

2.
授業の到達目標

 ①企業会計・会社法・金商法に関する発展的で実用的な知識を身に着け、実社会で生かすことができること。
 ②「会社の利益に対する株主、投資家、債権者、税務当局の見方は、それぞれ異なる。」この言葉の意味を理解できるようになること。

3.
成績評価の方法および基準

 ①授業貢献度、②中間テスト(又は中間レポート)及び③期末テスト(又は期末レポート)の総合評価
 評価配分割合:①30%、②30%、③40%

4.
教科書・参考書

 テキスト:宍戸善一『ベーシック会社法入門』(日本経済新聞社)、桜井久勝『会計学入門』(日本経済新聞社)

5.
準備学修の内容

 あらかじめテキストを十分に読みこみ、自分なりの考え方を準備した上で、授業に参加してください。

6.
その他履修上の注意事項

 企業会計及び会社法や金商法の知識は、企業への就職や公務員をめざす皆さんには必要不可欠です。確実に身に着けてください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ・企業、会社、経済活動
 ・株式会社
 ・株式の役割
 ・企業会計の役割
【第2回】
 ・個人企業、組合、匿名組合、有限責任事業組合
 ・合名会社、合資会社、合同会社、株式会社
【第3回】
 ・利益計算のしくみ
 ・仕訳、元帳、損益計算書、貸借対照表
 ・損益法、財産法
【第4回】
 ・収益と費用の事業年度帰属
 ・売上と売上原価
 ・費用配分、減価償却
【第5回】
 ・会社の利害関係者
 ・企業会計のトライアングル
 ・会社法、金商法、法人税法
【第6回】
 ・利益計算のルール
 ・企業会計原則
 ・計算書類規則、財務諸表規則
【第7回】
 ・株式会社の支配構造
 ・会社と債権者
 ・会社と投資家
 ・上場会社と非上場会社
 ・コーポレートガバナンス
【第8回】
 ・これまでのまとめと中間テスト
【第9回】
 ・支配株主と少数株主、
 ・会社の機関
【第10回】
 ・代表取締役
 ・取締役会
 ・取締役
【第11回】
 ・忠実義務
 ・役員報酬
 ・利益相反
 ・競業取引
【第12回】
 ・取締役の会社に対する責任
 ・株主代表訴訟
 ・第三者に対する責任
【第13回】
 ・会計監査と業務監査
 ・監査役、監査役会、監査委員会、会計監査人、会計参与
【第14回】
 ・株主の権利義務
 ・少数株主権
 ・株主平等原則
 ・株主総会
 ・株主総会の決議の瑕疵を争う訴訟
【第15回】
 ・まとめとテスト