Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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税法B 上條 克彦
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-3072-14A

1. 授業の概要(ねらい)

 ヒトが二人以上集まって共同生活をすれば、必ず「税」が生まれます。
 どんな人も、共同体に身を置く限り、「税」から逃れることはできません。
 近代社会における税は、市場経済の下で「役務」でなく「金銭」によって負担し、その金額は「共同体の意思」すなわち「法律」によって決まります(租税法律主義)。
 「税法Ⅰ/A」では、この税を決める法律=「税法」について、基礎レベルからできるだけ図解を用いて数式や計算に頼らずに学習します。
 また、「税法」は、憲法、民法、会社法、経済学、財政学、会計学など、他の分野の科目と深くかかわる総合科目ですので、「税法」を学ぶ過程で、これらを総合的に復習し、社会生活を行う上で真に役に立つものにすることができます。

2.
授業の到達目標

 ①税法を学びながら憲法や民法、会社法等の知識をさらに深めるとともに税に関する実用的な知識を身に着け、実社会で生かすことができるようになること
 ②「授業の計画」に掲げる項目・内容が理解できるようになること

3.
成績評価の方法および基準

 ①授業貢献度、②中間テスト(又は中間レポート)及び③期末テスト(又は期末レポート)の総合評価
 評価配分割合:①30%、②30%、③40%

4.
教科書・参考書

 テキスト:毎回プリントを配付します。
 参考書:
  ① 川田剛『租税法入門』(財団法人大蔵財務協会)
  ② 図子善信『税法概論』(財団法人大蔵財務協会)
  ③ 土屋重義他『ベーシック租税法』(同文館出版)

5.
準備学修の内容

 どんなひとでも、聞いただけの知識はすぐに忘れてしまうものです。授業で聞いた知識は、その日のうちにわずかな時間でいいですから必ず復習し、次の授業に臨むという「積み重ね」をしてください。

6.
その他履修上の注意事項

 この授業で学ぶ、租税法、会社法、会計学などの知識は、公務員をめざすひとはもちろんのこと、民間企業で働く場合も、ぜひとも身に着けておく必要があります。
 困難な局面にあって最終的に自分を助けてくれるのは、確実に身に着けた知識だけです。
 しっかり取り組みましょう。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ・法人税の概要
 ・法人税と所得税の比較
 ・法人所得と企業会計の関係
 ・企業会計の概要
【第2回】
 ・普通法人、協同組合、公益法人、人格のない社団、公共法人
【第3回】
 ・益金と損金
 ・確定決算、申告調整
 ・申告、納付、還付
【第4回】
 ・無償による資産の譲渡
 ・受取配当の益金不算入
 ・資産の評価益・評価損
 ・引当金、準備金
 ・減価償却
【第5回】
 ・役員給与
 ・寄付金
 ・交際費
【第6回】
 ・連結納税制度
 ・組織再編税制
【第7回】
 ・住民税
 ・固定資産税
 ・事業税
【第8回】
 ・法人税等のまとめと中間テスト
【第9回】
 ・国際課税
 ・居住者、非居住者、内国法人、外国法人
 ・外国税額控除
 ・租税条約
【第10回】
 ・タックスヘイブン
 ・移転価格
 ・過少資本税制
【第11回】
 ・租税回避スキーム
【第12回】
 ・税務調査
 ・加算税、罰則
 ・査察
【第13回】
 ・納付と納期限
 ・延滞税
 ・滞納処分
【第14回】
 ・不服審査
 ・税務訴訟
【第15回】
 ・国際課税等のまとめとテスト