Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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憲法特講B 鬼頭 誠
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-3338-18A

1. 授業の概要(ねらい)

 あなたのように、「自分は警察ざたになるようなことはしないから刑罰には無縁だ」という「普通の人」でも、「裁判員」に指名され、凶悪事件の被告人を裁かなければならない時代です。私たちは一人一人が「国民」としてのなにがしかの責任と権利をもつ民主政治の中に生きているのです。
 責任、そして、人権などの具体的内容と根拠が書かれているのが最高法規、つまり憲法です。
 現在の日本国憲法は世界各国の憲法の中でも異例の長期間、つまり1947年に施行されて以来今日まで70年間全く改正されずにきました。改正を検討すべき点も旧漢字や歴史的仮名遣いをはじめとして多々あります。最初に述べた「刑罰」についても、その嫌疑を問われている被告人の人権は手厚く憲法で保護されているのに、守られなければならないはずの被害者の人権は憲法に規定されていないのです。おかしいですね。
 憲法は、民法や刑法など選挙で選ばれた国会議員が立法する法律とは異なり、わたしたち国民が「国民投票」によって作り、また、改めるものです。国民の判断が主体ですから、普通の国民であっても、全103か条の憲法各条には目を通し、大まかでもその内容を知って、おかしいことは修正、改正されることが望まれます。それを一人一人が講義の中で考えましょう。
 憲法は、就職活動において、また一般職の公務員、警察官・消防官・自衛官などの試験でも、知識が試されます。
 授業は、主権者国民としての教養や就活・試験に役立つ知識を培うことも考えながら進めます。
 憲法Ⅱでは、「国会」「内閣」「司法」「財政」「地方自治」など、政治の構造面を主に勉強し、検討します。
 授業は毎回録画され、LMSで視聴することが可能です。

2.
授業の到達目標

 基礎的であって、かつ、発展的な講義内容の理解が深まる
 主権者としての意識が向上する

3.
成績評価の方法および基準

 授業内レポートと授業での貢献50%、期末の復習試験50%、最終的には総合評価します。

4.
教科書・参考書

 テキスト:読売新聞憲法問題研究会編 電子書籍『初学者が分かる解説日本国憲法』(2016年 読売電子書籍用テキスト)毎回LMSから配信します。
 参考文献:西修ほか編著『エレメンタリ憲法 (新訂版)』(2008年 成文堂)3,024円
 参考文献:芦部信喜著・高橋和之補訂『憲法 第六版』(2015年 岩波書店)3,348円
 参考文献:西修著『世界の憲法を知ろう』(2016年 海竜社)1,620円

5.
準備学修の内容

 LMS配信によるプリントを中心に、授業のあったその日のうちに習ったことを確認しておきます。復習が中心ですが予習すれば興味が増します。この積み重ねを着実に実行しておけば、期末試験は比較的に楽なはずです。

6.
その他履修上の注意事項

 シラバスは目安で、適宜変更することがあります。近年まで政治・外交・憲法担当の新聞記者でしたので、日々の新聞報道を活用した授業を心がけます。ご承知おき、ご期待ください。
 万一、授業を欠席した場合には、録画された授業をLMSで視聴することができ、欠席分の穴埋めをすることが可能です。
 授業中の行動はすべて就活に直結すると考えて、礼儀正しく、建設的、現実直視で授業に臨みましょう。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 憲法第3章の刑事手続きに関する条文(31~40条)=春学期に到達しなかった
【第2回】
 第4章 国会の運営
【第3回】
 二院制(政党、選挙制度)
【第4回】
 第5章 議院内閣制度(首相公選、大統領制)
【第5回】
 非常事態
【第6回】
 裁判所(裁判員制度、国民審査、検察審査)
【第7回】
 違憲立法審査
【第8回】
 憲法裁判所
【第9回】
 財政
【第10回】
 地方自治(「地域主権」「地方分権」)
【第11回】
 条約、憲法附属法
【第12回】
 憲法改正(改正要件)
【第13回】
 新しい条文案
【第14回】
 おさらいと改正試作
【第15回】
 おさらいと授業内試験