1. |
授業の概要(ねらい) |
|
行政法は、憲法、民法等の六法と異なり、行政法という名の法律は、存在しませんが、六法全書に収録されている法律の数では断然トップです。行政は、国の安全から産業の発展、環境の保全、福祉の推進、公共施設の整備など、私たちの日常生活、社会生活の隅々にまで関わっているため、法規の数も膨大な数になるからです。そしてこの行政は、国民生活の基盤をつくりあげていく側面と、我々国民の権利や自由を制限する側面と、二つの面をもっています。こうした行政活動に根拠を与えるとともに、逆にまた行政をコントロールしていく役割を果たしているのが行政法と呼ばれている数多くの法律です。 行政法の講義では、これら行政に関わる法律に共通する基本原理を習得するとともに、その原理に関わる基礎的な制度、仕組みを学ぶこととしています。 行政の果たす役割がますます大きくなり、その幅も広がっている現代において、行政は私たちの生活と切り離すことができないほど密接な関係をもっています。行政法を学んでおくことは現在の行政を法的な面から理解する上で欠くことのできないものであり、またそこで培った知識は社会的な問題に関わるときにも活用できるものです。 この行政法Ⅰ/Aでは、行政法とは何か、国や地方公共団体の行政とその組織はどのようになっているのか、行政の担い手たる公務員とは、行政を規律する原理はどのようなものなのか、行政は国民へどう働きかけるのか、という観点を中心に説明していきます。なお、行政法に関連した社会の動きは意外に多いものです。それぞれのテーマに即した記事も講義の中でとり上げていきたいと考えています。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
(1)行政法の基本的な考え方を理解する。 (2)行政法の基礎的な知識を習得する。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
レポート又は小テスト(30%)、学期末試験(70%)を基礎として平常点を加味して判定します。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
テキスト:曽和俊文・山田洋・亘理格著『現代行政法入門[第3版]』(有斐閣) 参 考 書:櫻井敬子・橋本博之『行政法[第5版]』(弘文堂)
|
5. |
準備学修の内容 |
|
(1)レジュメを配布しますが、これは板書をしない代わりにノートの筆記整理に役立ててもらうためです。 (2)講義の内容をテキストで改めて確認するように心がけてください。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
テキストは必ず購入して、講義には六法と共に持参してください。常に六法を携行することは、法律を学ぶ基本です。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | 授業は、テキストに沿って、概ね次のような予定で進めます。 行政法を学ぶために | 【第2回】 | 行政活動の主体(国、地方公共団体) | 【第3回】 | 行政活動の主体(行政機関) | 【第4回】 | 行政活動の主体(公務員制度) | 【第5回】 | 法律による行政の原理 | 【第6回】 | 行政法規範の多様性 | 【第7回】 | 行政行為① | 【第8回】 | 行政行為② | 【第9回】 | 行政上の実効性確保 | 【第10回】 | 非権力的な行政活動 | 【第11回】 | 行政活動と情報 | 【第12回】 | 行政活動に対する制約原理(手続法的コントロール) | 【第13回】 | 行政活動に対する制約原理(実体法的コントロール) | 【第14回】 | 行政活動に対する制約原理(組織法的コントロール) | 【第15回】 | まとめ講義 |
|