1. |
授業の概要(ねらい) |
|
西洋法思想の歴史的流れを、思想家が展開した理論を中心に概観します。人間にとって、法とはどのようなものであり、法を用いて人は何をしようとしていたのかを考えていきます。講義で扱う法思想は、当時の哲学・宗教・科学・文化の展開や、政治・経済の動向などとも関連していますそうした背景を意識しつつ、各法思想家の理論と基本的特徴をつかむことができるよう解説します。法思想史Ⅱでは近代から現代までの思想を中心に扱います。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
①法思想の歴史的な流れを理解することができる。 ②現代の法と法思想との関連を把握することができる。 ③講義で得られた知見を、言語化して他者に説明することができる。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
学期末の論述式試験(80%)を中心に評価します。出席確認を兼ねた感想シートを配布し、内容に応じて加点(20%)をします。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
テキスト:深田三徳・濱真一郎編著『よくわかる法哲学・法思想 第2版』ミネルヴァ書房、2015年 適宜レジュメを配布 参考文献:大野 達司・森元 拓・吉永 圭著『近代法思想史入門: 日本と西洋の交わりから読む』法律文化社、 2016年 竹下賢・角田猛之・市原靖久・桜井徹編『はじめて学ぶ法哲学・法思想―古典で読み解く21のトピック』ミネルヴァ書房、2010年 その他参考文献については、随時お知らせします。
|
5. |
準備学修の内容 |
|
授業の該当箇所の教科書とレジュメ内容などの予習・復習を行ってください。 関心を持った原典については、各自で読み進めるようにしてください。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
内容の連続性から法思想史Ⅰと継続して受講することが望ましいです。 講義中は、他人への迷惑行為および私語を禁じていますので、該当の場合には退室をお願いしています。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | イントロダクション:授業の概要と進め方 法思想史Ⅰとの関係 | 【第2回】 | 法実証主義の現代的展開 | 【第3回】 | 法実証主義批判 | 【第4回】 | 法と道徳(1)―ラートブルフの転向にみる法と道徳の問題 | 【第5回】 | 法と道徳(1)―ハート・フラー論争 | 【第6回】 | 自由とパターナリズム―J・S・ミル | 【第7回】 | リベラリズムの正義論―ロールズの正義論 | 【第8回】 | リベラリズム批判―リバタリアンと共同体論 | 【第9回】 | 寛容論―アイデンティティと社会集団の関係 | 【第10回】 | 法化と合意―ハーバーマスを中心とした合意理論と社会の発展理論 | 【第11回】 | 法治国家の意義―現代社会における法の意義 | 【第12回】 | 法と正義の問題―法の妥当性をめぐる現代的展開 | 【第13回】 | 司法的裁量権とその批判 | 【第14回】 | 権利論の概要―権利の観念の発展と現代的展開 | 【第15回】 | 国際社会における法の支配 |
|