Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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国際私法A 野間 小百合
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-3843-11A

1. 授業の概要(ねらい)

 国際的な生活の中で発生してくる法律問題をとり扱うのが「国際私法」であります。
 本講義では、特に、国際家族法及び国際取引法の分野を中心に、より身近な具体例に基づいて、それがどのような内容の法律であるのかといった基本的知識を提供します。
 例えば、外国人男性Xと日本人女性Yが日本で婚姻をしたい場合には、国籍の異なるXとYは、それぞれどこの国の法律によって、どのように婚姻の手続きを行い、効力を発生させることができるのであろうかということが問題となります。
 このような二国間あるいはそれ以上に跨る法律関係を扱うのが国際私法の領域であり、「法の適用に関する通則法」という法律によって「準拠法」(どこの国の法律を適用するのか)を決定することになります。
 毎回授業の後半では各回のテーマに沿った練習問題を用意しているので、その問題に取り組みながら、具体的なイメージに基づく法的な理解を習得してもらいたいです。

2.
授業の到達目標

 国際私法という領域について規定する「法の適用に関する通則法」という条文の文言理解と、具体的な事例に基づいて、どこの国の法律を適用するのかといった準拠法の決定方法を理解し、説明できること。

3.
成績評価の方法および基準

 授業の成績は、授業への貢献として授業内レポートの提出30%(少なくとも3回に1回程度簡単な授業内レポートを実施する)、期末試験70%で評価します。
 「知的能力・技能の定着」は主として授業内レポート、「知識・理解の定着」は主として期末試験で評価することとします。授業に積極参加する者は高く評価します。なお、全体の授業の1/3欠席の場合にはいかなる理由があっても単位を認めません。

4.
教科書・参考書

 教科書:松岡博編『国際関係私法入門(第3版)』(2012年)有斐閣

5.
準備学修の内容

 授業で行った演習問題の復習が望まれます。

6.
その他履修上の注意事項

 六法と教科書は授業で使用しますので必ず持ってきてください。
 出席日数が不足したことへの配慮は一切しません。
 また、試験日以外での試験の実施、期限後のレポートの提出も一切認めませんので、以上の点を御理解の上登録してください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス
【第2回】
 国際私法の概念
【第3回】
 婚姻の準拠法
【第4回】
 夫婦財産制の準拠法
【第5回】
 離婚の準拠法
【第6回】
 嫡出である子・嫡出でない子の親子関係の成立および準正の準拠法
【第7回】
 問題演習(復習)
【第8回】
 養子縁組の準拠法
【第9回】
 親子間の法律関係の準拠法
【第10回】
 親族関係の準拠法
【第11回】
 親族関係についての法律行為の方式の準拠法
【第12回】
 後見の準拠法
【第13回】
 相続の準拠法
【第14回】
 遺言の準拠法
【第15回】
 まとめ
 なお、半期に2回程度ゲストスピーカーによる講義を実施する場合もあります。