Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
経済法A 徳力 徹也
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-3867-17A

1. 授業の概要(ねらい)

 私たちは、生活に必要なモノ・サービスをどのように得ているでしょうか・・・私たちの経済生活は、市場経済システムによって成り立っています。そして、市場経済システムは、競争によって機能しています。このため、市場経済システムを適切に機能させるためのルール=競争法(独占禁止法)が必要とされます。
 みなさんは、今後、経済・ビジネス活動を行う上で、独占禁止法(競争法)上の問題に多く接することになるでしょう。講義では、このことを意識して、独占禁止法違反とされる具体的事例を通じて、実際の経済・ビジネスの場面で、どのような行為が問題となるか(その理由を含めて)を考えるようにします。

2.
授業の到達目標

 本講義は、独占禁止法について、「法律的な知識に基づき、社会で起きている法現象について、その問題点を的確に把握し、問題解決のための提言を行うことができる」ようになることを目標とします。
 特に、受講者が競争の意義、競争維持ルールの必要性・内容をおおよそ理解できること(例えば、「○○との行為は、××との観点から望ましくない。このため、競争法で禁止されている」と簡単な説明を行えるようになること)を目標とします。

3.
成績評価の方法および基準

 基本的に試験結果(80%)、講義参加・課題対応状況(20%)に基づき評価します。

4.
教科書・参考書

 参考書等については、適宜指示します。

5.
準備学修の内容

 各講義のレジメを事前配布・LMS掲載するので、当該レジメを事前に読み、問題を検討してください。
 なお、経済活動に係る新聞記事等を日常的に読むように努めてください。

6.
その他履修上の注意事項

 みなさんの生活に密接に関連している市場経済の役割・これがより良く機能するためのルールについて関心を持ってください。
 経済に関する法律を取り上げるので、初歩的な経済学・経済理論に関連する話をします。できるだけ直感的に理解できるよう説明しますので、経済に関心がある方・ない方ともに積極的に参加してください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 市場経済システムとは:その内容・働きを知ろう。
  -私たちの経済活動はどのように成立しているだろうか-
【第2回】
 市場経済システム=競争のメリットを初歩的な経済学で考えよう。
 競争を維持するルールの必要性を知ろう。
【第3回】
 価格カルテルとは何か?その弊害は何か(価格カルテルは良い/悪い)?
 独占禁止法は、価格カルテルをどのように規制しているだろうか?
 最近の価格カルテル事例を検討しよう。
【第4回】
 入札談合とは何か?その弊害は何か(入札談合は良い/悪い)?
 独占禁止法は、入札談合をどのように規制しているだろうか?
 最近の入札談合事例を検討しよう。
【第5回】
 ボイコットとは何か?その弊害は何か?
 独占禁止法は、ボイコットをどのように規制しているだろうか?
 最近のボイコット事例(例えば、米国トイザらス事件)を検討しよう。
【第6回】
 「A社の商品は、どこの店でも同じ値段だぞ」
 再販売価格維持は、競争の観点から弊害があるか?
 独占禁止法は、再販売価格維持をどのように規制しているだろうか?
 最近の再販売価格維持事例を検討しよう。
【第7回】
 メーカーが自社商品のネット販売を制限したら、独占禁止法の問題となるだろうか?
 最近のネット販売制限事例(例えば、EUの化粧品事件)を検討しよう。
【第8回】
 (脱線)メーカーは、何故、販売店や部品メーカーをコントロールするのか?
 取引の経済理論と競争法の関係を考えよう。
【第9回】
 「よそ者を市場に入れるな」
 市場閉鎖は、競争の観点から弊害があるか?
 独占禁止法は、市場閉鎖をどのように規制しているだろうか?
 最近の市場閉鎖事例を検討しよう。
【第10回】
 市場閉鎖に関する議論の続き・・・
 「最近、ネット販売大手プラットフォームが独禁法違反の疑いで調査されたけど、これってどういう問題なの?」
【第11回】
 「安売りが独禁法違反なの?」・・・略奪的価格設定の弊害は何か?
 独占禁止法は、略奪的価格設定をどのように規制しているか?
【第12回】
 (復習)独禁法が禁止する行為・適用条項を体系的に整理し直そう。
【第13回】
 いくつかの仮説事例について、独禁法違反といえるか否かを議論しよう。
 企業の法務部員・公取委審査官になったつもりで考えてください。
【第14回】
 前回の続き・・・
【第15回】
 まとめと試験