Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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法学概論A 長島 光一
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-4430-27A

1. 授業の概要(ねらい)

 法学概論は、法律専門各科目の勉学を容易かつ効果的なものとするため、法を学ぶ意義を理解するとともに、法学各分野に関する基礎的な知識、法的思考方法、専門用語および条文の読み方などを概ね習得するものです。
 法律学は、難しい学問であると思われがちですが、身近な問題ばかりで、社会生活を送る上でも必要な学問です。本講義は、入門科目であるため、初学者でも理解しやすいように事例をたくさん紹介しますので、その中で問題意識を持って内容を理解をしてもらい、一緒によりよい法と社会のあり方を考えたいと思います。
 法学概論Ⅰでは、法についての全体像を理解した上で、憲法、刑法、民法を中心に学び、法的な思考能力(リーガルマインド)を身につけます。

2.
授業の到達目標

 ・日常生活における諸問題を、法的な観点からとらえることができるようになる。
 ・法学の諸分野を理解することで、法的な問題を考える上でのレファレンス能力を身につける。
 ・憲法・民法・刑法の全体像を把握し、その考え方を説明できるようになる。

3.
成績評価の方法および基準

 学期末に法的な知識と考え方が身についたかをテストします(70%)。
 また、毎回、リアクションペーパーを求めますので、そこで書かれたことや発言等も重視します(30%)。

4.
教科書・参考書

 教科書:末川博編『法学入門(第6版補訂版)』(有斐閣、2014年)
 ※各回レジュメを配布します。
 ※六法も手元に置いておきましょう。

5.
準備学修の内容

 予習について、教科書の次回の該当頁を事前に告知しますので、一読することをお勧めします。
 復習について、毎回のレジュメの最後に演習課題を出しますので、各自取り組んでもらいます。
 なお、次の週の最初に説明をし、確認作業をします。

6.
その他履修上の注意事項

 日常生活のいたるところに「法」の存在があります。毎日の生活の中で「法」の存在を意識して講義を受けると法学の理解がより深まります。一緒に法学を楽しみましょう。
 なお、講義では、ドラマや映画、アニメ、スポーツ、芸能ニュースなどもたくさん見ますし、話題にします。幅広い知識と関心をもって臨んでください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 講義のガイダンス:法学の全体像を把握するとともに、法学の体系的な学習を行うに際し留意すべき点を確認します。
【第2回】
 法教育体験:最近注目されている小・中・高で行われている法教育の実践を体験し、知識に頼らない多様な考え方を身につけます。
【第3回】
 法とは何か:法の歴史、法の機能、公法と私法、実体法と手続法、一般法と特別法の関係等について理解します。
【第4回】
 司法制度と法曹資格:民事訴訟と刑事訴訟、日本の司法制度の特徴および裁判員制度について基本的な構造と基礎的な専門用語を学びます。また、法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)、司法書士、行政書士、弁理士、社会保険労務士などの法律専門職を理解し、それらの資格取得のための試験制度を学びます。
【第5回】
 法の解釈と判例:条文の読み方や法解釈および判決文の読み方について学び、条文解釈と判例研究の重要性を理解します。また、法情報調査の方法も学びます。
【第6回】
 人権の保障(1):基本的人権の歴史を振り返り、人権保障のあり方を考察するとともに、人権の概念や内容について学びます。
【第7回】
 人権の保障(2):人権の保障が問題となった事例を学び、憲法訴訟の意義を理解します。
【第8回】
 国家の仕組み:統治機構の基本原理をなす国民主権と権力分立を検討し、国会・内閣・裁判所・財政および地方自治の仕組みと働きについて理解します。
【第9回】
 行政と法:日本の行政機関の全体像、中央政府と地方自治体の関係、公務員の仕事について学び、行政と市民の関係を規律する法を理解します。
【第10回】
 犯罪と法(1):刑法の機能、犯罪の構成と種類を学び、刑法の思考方法を理解します。
【第11回】
 犯罪と法(2):少年法や死刑制度や冤罪などをめぐる社会的な議論について学び、日本の刑事司法のあり方を考えます。
【第12回】
 財産と法(1):民法が形成された歴史、民法の役割および基本原則を学び、財産法分野の考え方を理解します。
【第13回】
 財産と法(2):事例を通して権利と義務の関係、契約の成立と終了および損害賠償の仕組みを学び、民事紛争とその解決のあり方を理解します。
【第14回】
 家族と法:婚姻、離婚、親子、相続など家族に関する法的問題を学び、家族法の考え方を理解します。
【第15回】
 まとめ:これまでの講義で触れた事項の要点を確認するとともに、時事的なトピック等を法学の視点で検討します。