心理学演習B
担当者廣中 直行
単位・開講先必修  2単位 [心理学科 2017年度以前]
科目ナンバリングSEM-304

授業の概要(ねらい)

上淵寿:動機づけ研究の最前線,北大路書房,2004を手がかりに「動機づけ」について学ぶ。
ただし、この時間は本書を読み進む「購読」ではありません。
本書の担当箇所をざっと読んで内容を理解し、そこに述べられたキーワードを手がかりにして自分で文献を探し(日本語で結構です)、その内容をレジュメにまとめて報告してもらいます。一人一篇、毎回二名に報告してもらいます。
動機づけ(motivation)はもともと学習心理学と深い関わりがありました。1960年代になると食欲や性欲といった基本的動機に関する生物学的な研究が進みました。その一方で、産業心理学や教育心理学では「やる気」を起こさせる力として重視されています。このように二転三転してきたテーマであり、今後の発展が期待できるテーマでもあります。いま、発達、臨床、教育といった方面に関心を持つ学生諸君にはぜひ勉強してもらいたいテーマです。この本はそういった多様なテーマを要領良く概観しています。編者の上淵先生は存じ上げないが、「自己と動機づけ」を執筆された伊藤忠弘先生はかつてたいへんお世話になり、よく存じ上げています。

授業の到達目標

① 文献を検索するテクニックを身につけること。
② 文献の内容をわかりやすい資料にまとめて紹介するテクニックを身につけること
③ 動機づけに関する興味を今後の心理学の勉強に役立てること。

成績評価の方法および基準

発表内容および討論の状況で評価します。事前の連絡なく発表担当日に欠席した発表者はただちに不合格とします(連絡方法は第1回のときにお知らせします)。発表のローテーションが始まる第5回以後の出席回数が5回未満の参加者には良い成績はつけられません。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書動機づけ研究の最前線上淵寿北大路書房(2004)
参考文献動機づけと情動~現代基礎心理学選書第5巻 デニス・デカタンザロ(浜村良久監訳)協同出版(2005)

準備学修の内容

ふだんからデータベースを検索して文献をみつける習慣をつけておくこと。ときおりその成果を披露してもらうこともあります。

その他履修上の注意事項

担当箇所と日程は抽選で決めます。希望を聞かない理由は、誰でもこのぐらいの内容は理解しておいて欲しく、本書のどのような話題にも関心を持ってもらいたいからです。

授業内容

授業内容
第1回全体のイントロ(講義形式)
第2回担当箇所の抽選・スケジュール決め(会議方式)
第3回報告要旨(レジュメ)のスタイル例示とポイント解説(講義形式)
第4回以下の回は参加者によるプレゼンとディスカッションの形式です。大事なテーマなので2回かける章が多いです。
第1章:動機づけ研究へのいざない~その1
第5回第1章:動機づけ研究へのいざない~その2
第6回第2章:自律性と関係性からみた内発的動機づけの研究~その1
第7回第2章:自律性と関係性からみた内発的動機づけの研究~その2
第8回第3章:自己と動機づけ
第9回第4章:達成目標理論の最近の展開
第10回第5章:自己制御学習
第11回第6章:社会文化的アプローチ
第12回第7章:臨床的展開~その1
第13回第7章:臨床的展開~その2
第14回第8章:神経科学的研究と動機づけ研究の将来の展望~その1
第15回第8章:神経科学的研究と動機づけ研究の将来の展望~その2