ソーシャルビジネス実習
担当者李  永淑教員紹介
単位・開講先選択必修B  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSWS-202

授業の概要(ねらい)

ソーシャルビジネスとは、ビジネスを手段としてさまざまな社会的課題の解決を試み、それらを通して新しい社会的価値を創出する取り組みです。
 本学のある立川、八王子、多摩地域では、ソーシャルビジネスを展開する多くの社会的企業が活躍しており、本授業では、本学近隣地域でソーシャルビジネスを展開している、社会的企業の皆様と連携してPBL型の授業を行うことにより、地域社会で活躍できる人材を育てることを目的としています。
 PBLとは、Problem-based learning(課題解決型学習)もしくはProject-based learning(プロジェクト型学習)と呼ばれ、企業や地域、教員、もしくは学生が設定した課題や目標に対して、受講生たちがチームで取り組む教育手法です。PBLには、明確な答えがないため、受講生たちが自律的・主体的に取り組むこと
が必要不可欠です。
 本授業でご協力いただく社会的企業及び、予定しているPBLの内容は以下の通りです(順不同)。プロジェクトの具体的な内容は受講生たちが企画立案し、計画したプロジェクトは実際に実施します。
 
①株式会社 キャリア・マム:女性キャリア支援事業(http://www.c-mam.co.jp/)
<プロジェクト内容>
⇒キャリア・マムが運営する「おしごとカフェ(ココリア多摩センター5F)」において、期間限定メニューの企画立案および、店内のメニュー紹介レイアウト、SNS等による広報など。
 
②認定NPO法人 育て上げネット:若者支援事業(https://www.sodateage.net/)
<プロジェクト内容>
⇒育て上げネットの利用者・スタッフをゲストに迎え、大学生を対象としたミニシンポジウム・交流会(@帝京大学八王子キャンパス)の企画立案と開催。テーマ例は、キャリア、就職、人間関係など、身近にある漠然とした不安とその向き合い方、など。具体的なテーマとイベントの内容は、受講生が企画立案します。

③認定NPO法人 多摩草むらの会:精神障害者就労支援事業(http://kusamura.org/)
<プロジェクト内容>
⇒多摩草むらの会に所属する各種サークルとのコラボレーションもしくは、トーナメントの企画立案(多摩草むらの会には、様々なサークル活動があり、大会に出場して成果を挙げるなど、日々活発に活動しています)
a.トーナメントの企画
開催可能な例:将棋大会、麻雀大会、バレーボール大会
b.音楽コラボセッションと発表会(多摩草むらの会が運営する農園で開催される、「秋の感謝祭」のステージにおける発表)
コラボ可能な例:ラップ、楽器バンド、コーラス

④医療法人社団 康明会:高齢者支援事業(http://www.komei-mc.or.jp/komeikai-hospital/)
<プロジェクト内容>
⇒康明会デイケアセンターとよだ(通所リハ)における持ち込み企画の実施
例:俳句ワークショップの開催や、学内サークルやその他個人・団体とのマッチング企画等(音楽系サークルや落語サークル等)

 授業では夏期休暇中、春期授業において受講生が希望した社会的企業において、秋期PBLの企画立案実施を踏まえた現場実習を行います。
 現場実習を経て、秋期授業期間中は、上記4事業所が提示したプロジェクト素案をベースに、受講生たちが各チームごとで企画を練り上げ、それぞれの事業所と実施にむけた協働作業を行います。
 企画の進捗状況については常にクラス内で共有し、報告・連絡・相談を繰り返しながら、全員で議論していきます。
 練り上げたプロジェクトは、実際に実施し、最後に一連のプロセスを通じて得た学びと気づきを言語化し、報告書としてまとめます。

授業の到達目標

・「ソーシャルビジネス」という概念を理論的・実践的側面から考え、理解し、「自分事」として行動につなげることができる。
・一連のカリキュラムを通して、「見る・聴く・体験する・議論する・調べる・企画する・発表する」ことを経験し、その力を具体的に身に付けながら、学びを深めることができる。
・卒後、地域社会で発揮できるための、論理的思考や協調性、職業意識を育成し、それを学生自身が考える「就業力」につなげることができる。
・現代社会における「仕事」「働く」ことについて社会学的に考え、自分なりの「答え」を探求し、それを言語化することができる。

成績評価の方法および基準

 現場での実習状況(10%)、協働プロジェクトの企画運営実施への参加状況・貢献度(60%)、チームによる報告(15%)、最終レポート(15%)から総合的に評価します。
 出席は原則8割以上を前提とします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献

準備学修の内容

 実習では日々の振り返りを心掛けてください。授業には必ず発表準備をしてから参加し、授業外においても、担当教員や他の学生たちと積極的にコミュニケーションをとってください。

その他履修上の注意事項

 実践の中で学び、その学びを言語化して伝える楽しさと難しさを、存分に経験し、自分の糧としてください。そして、社会の中のいち「チェンジメーカー」として、自分だからこそできることを模索し、大いに奮闘してください。
 ※授業の予定は状況によって変更となる場合があります。日程等も含めて、初回授業で説明します。
 ※本科目は、春期「ソーシャルビジネス実習基礎」履修者を対象としています。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション・実習の振り返りと今後の進め方について
第2回プロジェクト企画立案発表
第3回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第4回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第5回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第6回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第7回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第8回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第9回プロジェクト企画立案発表
進捗状況の報告と確認、ディスカッション
第10回プロジェクトの実施①
第11回プロジェクトの実施②
第12回プロジェクトの実施③
第13回プロジェクトの実施④
第14回振り返り
報告書執筆について
第15回まとめ