ソーシャルビジネス実習基礎
担当者李  永淑教員紹介
単位・開講先選択必修B  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSWS-201

授業の概要(ねらい)

ソーシャルビジネスとは、ビジネスを手段としてさまざまな社会的課題の解決を試み、それらを通して新しい社会的価値を創出する取り組みです。
 本学のある立川、八王子、多摩地域では、ソーシャルビジネスを展開する多くの社会的企業が活躍しており、本授業では、本学近隣地域でソーシャルビジネスを展開している、社会的企業の皆様と連携してPBL型の授業を行うことにより、地域社会で活躍できる人材を育てることを目的としています。
 PBLとは、Problem-based learning(課題解決型学習)もしくはProject-based learning(プロジェクト型学習)と呼ばれ、企業や地域、教員、もしくは学生が設定した課題や目標に対して、受講生たちがチームで取り組む教育手法です。PBLには、明確な答えがないため、受講生たちが自律的・主体的に取り組むことが必要不可欠です。
 本授業でご協力いただく社会的企業及び、予定しているPBLの内容は以下の通りです(順不同)。プロジェクトの具体的な内容は受講生たちが企画立案し、計画したプロジェクトは実際に実施します。
 
①株式会社 キャリア・マム:女性キャリア支援事業(http://www.c-mam.co.jp/)
<プロジェクト内容>
⇒キャリア・マムが運営する「おしごとカフェ(ココリア多摩センター5F)」において、期間限定メニューの企画立案および、店内のメニュー紹介レイアウト、SNS等による広報など。
 
②認定NPO法人 育て上げネット:若者支援事業(https://www.sodateage.net/)
<プロジェクト内容>
⇒育て上げネットの利用者・スタッフをゲストに迎え、大学生を対象としたミニシンポジウム・交流会(@帝京大学八王子キャンパス)の企画立案と開催。テーマ例は、キャリア、就職、人間関係など、身近にある漠然とした不安とその向き合い方、など。具体的なテーマとイベントの内容は、受講生が企画立案します。

③認定NPO法人 多摩草むらの会:精神障害者就労支援事業(http://kusamura.org/)
<プロジェクト内容>
⇒多摩草むらの会に所属する各種サークルとのコラボレーションもしくは、トーナメントの企画立案(多摩草むらの会には、様々なサークル活動があり、大会に出場して成果を挙げるなど、日々活発に活動しています)
a.トーナメントの企画
開催可能な例:将棋大会、麻雀大会、バレーボール大会
b.音楽コラボセッションと発表会(多摩草むらの会が運営する農園で開催される、「秋の感謝祭」のステージにおける発表)
コラボ可能な例:ラップ、楽器バンド、コーラス

④医療法人社団 康明会:高齢者支援事業(http://www.komei-mc.or.jp/komeikai-hospital/)
<プロジェクト内容>
⇒デイサービスにおける持ち込み企画の実施
例:俳句ワークショップの開催や、学内サークルやその他個人・団体とのマッチング企画等(音楽系サークルや落語サークル等)

 春期授業においては、秋期実習(夏期現場実習およびPBLの実施)に向けた基礎を築くための学習および準備を行います。
 春期授業を踏まえて、受講生は夏期現場実習先および参加するプロジェクトを選択します(夏期現場実習先と参加するプロジェクトは同一事業所となります)。

授業の到達目標

・「ソーシャルビジネス」という概念を理論的・実践的側面から考え、理解し、「自分事」として行動につなげることができる。
・一連のカリキュラムを通して、「見る・聴く・体験する・議論する・調べる・企画する・提案する・交渉する・協働する・報告連絡相談する・発信する」ことを経験し、その力を具体的に身に付けながら、学びを深めることができる
・卒後、地域社会で発揮できるための、論理的思考や協調性、職業意識を育成し、それを学生自身が考える「就業力」につなげることができる。
・現代社会における「仕事」「働く」ことについて社会学的に考え、自分なりの「答え」を探求し、それを言語化することができる。

成績評価の方法および基準

 提出されたレポートおよび課題(100から総合的に評価します。)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献社会を変えたい人のためのソーシャルビジネス入門駒崎弘樹PHP新書
参考文献家族幻想――「ひきこもり」から問う杉山春ちくま新書
参考文献小児がん病棟と学生ボランティア――関わり合いの人間科学李永淑晃洋書房

準備学修の内容

授業内で適宜指示します。

その他履修上の注意事項

・本授業は春期・秋期の通年科目であり、秋学期「ソーシャルビジネス実習」は、本科目を履修していることが受講の要件となります。したがって受講生は原則、通年で受講してください。
・ご協力いただく事業所の事情により、予定が変更となる場合があります。
・実習科目であるため、原則8割以上の出席を求めます。
・学外授業(土曜日)を実施する予定です。受講生は、4つの事業所のうち、2か所(第4回授業に該当する2か所のうち1か所、第10回授業に該当する2か所のうち1か所)を選択してください。具体的な内容は初回ガイダンスで発表しますので、受講希望者は初回授業に必ず参加してください。
・自分の可能性を広げてみたい、実践を通じて視野を広げたり新たな知識やスキルを獲得したい、何かをやり遂げる経験をしたい、社会貢献を通じて自分も成長したい、そしてそもそも社会貢献とは何であり自分とどのように関係するのだろうか、等の思いや疑問をもっている学生の受講を歓迎します。
・2018年度地域問題論、市民参加・ボランティア論Ⅱを履修した学生の受講を歓迎します。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス(受講希望者は必ず参加してください):4月9日
第2回ソーシャルビジネス概論 :4月16日
第3回ビジネスマナーとビジネススキル :4月23日
第4回※いずれかを選択
①フィールドワーク:認定NPO法人 多摩草むらの会(農園(就労継続支援B型)「夢畑」での協働作業体験、交流とグループワーク等)※学外授業として5月11日土曜日に実施
②フィールドワーク:認定NPO法人 育て上げネット(本社訪問、無業やひきこもりを経験した若者と支援者による講義、交流とグループワーク等)※学外授業として5月25日土曜日に実施
第5回社会的企業による講義:認定NPO法人多摩草むらの会 代表理事 風間美代子氏:5月14日
第6回社会的企業による講義:認定NPO法人 育て上げネット  若年支援事業部 プロジェクトマネージャー/プロジェクトサポートオフィス/企業連携担当・支援者育成担当・保護者支援企画担当 古賀和香子氏:5月21日
第7回中間の振り返り:5月28日
第8回団体運営とリーダーシップ:6月11日
第9回社会的企業による講義 株式会社キャリア・マム 代表取締役社長 堤香苗氏:6月18日
第10回※いずれかを選択
①フィールドワーク:医療法人社団 康明会(「デイケアセンターとよだ」において利用者の方々との交流、ワークショップ参加やグループワーク等)※学外授業として6月22日土曜日に実施
②フィールドワーク:株式会社 キャリア・マム(本社および「おしごとカフェ」、東京都認定保育所併設インキュベーション施設「CoCoプレイス」の見学、ワークショップ参加やグループワーク等)※学外授業として7月13日土曜日に実施
第11回社会的企業による講義:医療法人社団 康明会理事長 遠藤正樹氏:6月25日
第12回ファンドレイジングとマネジメント :7月2日
第13回グループワーク:7月9日
第14回企画の立案とプレゼンテーション① :7月16日
第15回企画の立案とプレゼンテーション②
実習ガイダンス:7月23日