観光学特論Ⅱ
担当者野澤 丈二教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [観光経営学科]
科目ナンバリングTPA-203

授業の概要(ねらい)

 人間の食行動を考える際に手がかりとなるキーワードを毎回ひとつ取り上げ、やや理論的なアプローチから観光と食について考えていく。
 観光学は現在も発展途上にある比較的新しい学問であり、人文社会科学における複数の専門分野(歴史学、文化人類学、経済学、社会学、文学など)を横断する学際的な領域でもある。
 旅行中、食行動には多くの選択肢があるにもかかわらず、なぜ特定の時間・場所・仲間(人数)・食材・料理などを選ぶのだろうか。こうした疑問について考えることは、究極的には人間や社会の本質を考える作業にもつながる。人はなぜ移動するのかという観光学における根源的な問題に加え、人はなぜいま食べているものを食べているのか、という問いについて考える。
 授業では、キーワードとなる概念を簡単に紹介するとともに、その分野を代表する思想家や研究者の主著を取り上げ、実際に作品の一部を読んでみる。また、後半のディスカッションでは、こうした概念を食行動を考える際にどのように応用できるのかを一緒に考える。

授業の到達目標

 ① 毎回の授業で扱う理論やその主たる提唱者や著作を簡単に紹介できる。
 ② そうした理論と人間の食行動との関連性について説明できる。
 ③ 観光学を通して、人間や社会についての洞察を深める可能性について考える。

成績評価の方法および基準

 平常点(30点)、レポート(30点)、授業内課題(40点)の割合で、総合的に評価します。平常点は、出席状況と授業への積極的な参加に基づいて評価します。
 特に理由のない遅刻は欠席とみなし、無断の欠席4回以上で評価の対象外とする。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『観光学キーワード』(2011年)山下晋司編有斐閣
参考文献『観光のまなざし』(2014年)ジョン・アーリ、ヨーナス・ラースン法政大学出版局
参考文献『食の500年史』(2015年)ジェフリー・M・ピルチャーNTT出版

準備学修の内容

 新聞記事(あるいは信頼できるインターネット上のニュース)や新刊書籍のタイトルに普段から目を配り、「食」に関するどのようなテーマが話題になっているのかを意識する。 

その他履修上の注意事項

 授業の計画は、履修者数などに応じて、一部変更になる可能性があります。
 各回のテーマに関する文献リストなどの詳細は、授業内で指示します。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション
第2回有閑階級
第3回贈与
第4回礼儀作法
第5回構造主義
第6回公共圏
第7回禁忌(タブー)
第8回言語論的転回
第9回ポストコロニアリズム
第10回差異
第11回ジェンダー
第12回ナショナリズム
第13回メディア
第14回グローバリゼーション
第15回まとめ