国際私法Ⅱ
担当者野間 小百合
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングILA-308

授業の概要(ねらい)

国際的な生活の中で発生してくる法律問題をとり扱うのが「国際私法」であります。「国際私法」とは、国際的私法生活関係(渉外的法律関係)に対して、”どこの国の法律を適用するかを決定するか”を決定する法のことを指します。本講義では、特に、国際家族法及の分野を中心に、より身近な具体例に基づいて、それがどのような内容の法律であるのかといった基本的知識を提供します。例えば、国際家族法の領域において、外国人の男性Xと日本人の女性Yが日本で婚姻をしたいという場合には、国籍の異なるXとYは、それぞれどこの国の法律によって、どのように婚姻の手続きを行い、効力を発生させることができるのであろうかということが問題となります。この様な二国間あるいはそれ以上に跨る法律関係を扱うのが国際私法の領域であり、「法の適用に関する通則法」という法律によって「準拠法」(国際私法によって指定され、適用される法)を決定することになります。毎回授業の後半では、具体的事例を提示し、その事例が、①「何に関する問題なのか」を明らかにし、②「何条文が適用されるのか」、③「条文の解釈」、④「具体的事例へのあてはめ」、⑤「結論」を導けるような授業設計の下、各回のテーマに沿った練習問題に挑戦してもらいます。その問題に取り組みながら、具体的なイメージに基づく論理的な思考方式を習得してもらいたいです。

授業の到達目標

国際私法という領域について規定する「法の適用に関する通則法」という条文の文言理解と、具体的な事例に基づいて、どこの国の法律を適用するのかといった準拠法の決定方法を理解し、説明できること。

成績評価の方法および基準

1.授業の成績は、授業貢献・レポートの提出等30%(少なくとも3回に1回程度簡単な授業内レポートを実施する場合があります)、期末試験70%で評価します。
2.「知的能力・技能の定着」は主として授業内の練習問題及びレポート、「知識・理解の定着」は主として期末試験で評価することとします。 授業に積極参加する者は高く評価します。
なお、全体の授業の1/3欠席の場合にはいかなる理由があっても単位を認定しません。
3.学期末試験の詳細についてはガイダンス時に提示します。就活でやむを得ず欠席する場合には、12回目までに申し出てください。試験終了後にお問い合わせ頂いてもご希望に沿えません。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『国際関係私法入門(第3版)』松岡博編有斐閣
参考文献

準備学修の内容

授業で行った演習問題の復習が望まれます。

その他履修上の注意事項

配布資料、六法、教科書は授業で使用しますので必ず持ってきてください。 ※配布資料はLMS上で各自で印刷して持参してください(LMS上にある資料は配布しませんのでご了承ください)。 試験当日は配布資料と手書きノートのみ持ち込み可とします。 出席日数が不足したことへの配慮は一切しません。また、試験日以外での試験の実施、期限後のレポートの提出も一切認めませんので、以上の点を御理解の上登録してください。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回国際私法の概念
第3回婚姻の実質的成立要件の準拠法 (法適用通則法条24条)
第4回婚姻の形式的成立要件の準拠法 (法適用通則法条24条)
第5回婚姻の効力の準拠法 (法適用通則法条25条)
第6回問題演習(復習)
第7回夫婦財産制の準拠法 (法適用通則法条26条)
第8回離婚の準拠法 (法適用通則法条27条) 
第9回嫡出である子の親子関係の成立および準正の準拠法 (法適用通則法条28条)
第10回問題演習(復習)
第11回嫡出でない子の親子関係の成立および準正の準拠法 (法適用通則法条29条)
第12回養子縁組の準拠法 (法適用通則法条31条)
第13回親子間の法律関係 (法適用通則法条32条)
第14回問題演習(復習)
第15回まとめ
なお、半期に2回程度ゲストスピーカーによる講義を実施する場合もあります。