応用行動分析学
担当者望月  要教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [心理学科 2017年度以前]
科目ナンバリングEXP-302

授業の概要(ねらい)

 応用行動分析学(Applied Behavior Analysis: ABA)は,実験行動分析学の応用分野であり,実験行動分析学の哲学である徹底的行動主義(radical behaviorism)と,実験行動分析学が明らかにした行動の原理を人間生活に応用し,様々な問題を解決しようとするものである。その応用範囲は,臨床心理学をはじめ,発達障害,精神疾患,教育,特別支援教育,リハビリテーション,コミュニティ心理学,ビジネス,産業,ヒューマンサービス,育児,セルフマネージメント,スポーツ,アニマルトレーニング,健康問題,高齢者支援におよび,どの領域でも確実な成果を挙げている。

授業の到達目標

 応用行動分析学の基本的手法と行動介入法を説明できる。

成績評価の方法および基準

 学期末試験の成績のみで成績を決める。試験には所定の持ち込み用紙だけの持ち込みを認め,持ち込み用紙の内容30点,事前予告問題20点を含め,100点満点で評価する。配布資料,参考書類の持ち込みは認めない。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストは使用しない。以下の書籍は,応用行動分析学に対する理解を深める上で役立つであろう。
参考文献『行動変容法入門』(2006)ミルテンバーガーR.G. 園山繁樹・野呂文行・渡部匡隆・大石幸二(訳)二瓶社
参考文献『行動分析』(2007)大河内浩人・武藤 崇(編)ミネルヴァ書房
参考文献『応用行動分析学入門:障害児者のコミュニケーション行動の実現を目指す』(1997)山本淳一・加藤哲文(編著)学苑社
参考文献『インストラクショナルデザイン』(2004)島宗 理米田出版
参考文献『行動分析学から見た子どもの発達』(1998)シュリンガーH.D.Jr. 園山繁樹・根ヶ山俊介・山根正夫・大野裕史(訳)二瓶社
参考文献『応用行動分析で特別支援教育が変わる:子どもへの指導方略を見つける方程式』(2005)山本淳一・池田聡子(編)
参考文献『臨床心理学の源流:フロイト・スキナー・ロージャズ』(1995)ナイR.D. 河合伊六(訳)二瓶社

準備学修の内容

 ・毎回の講義で取り上げる話題について,基本的専門用語の定義を予習しておく。
 ・授業後は,毎回ノートを整理し,参考文献等を参照しつつ講義内容を十分に理解すること。

その他履修上の注意事項

 特になし。

授業内容

授業内容
第1回 授業方針の説明,参考書籍の紹介
第2回 実験行動分析学の基本(1):医学モデルの否定,行動の基本単位と随伴性
第3回 実験行動分析学の基本(2):基本的な強化随伴性
第4回 研究デザイン(1):反転法,多層ベースライン法,データの可視化
第5回 研究デザイン(2):データの可視化と評価
第6回 行動観察記録法
第7回 行動を増やす技法(1):正の強化・負の強化
第8回 行動を増やす技法(2):確立操作と行動の維持
第9回 行動を増やす技法(3):条件性強化子とトークン
第10回 行動を増やす技法(4):反応形成と行動連鎖
第11回 行動を減らす技法(1):消去と罰,随伴性分析
第12回 行動を減らす技法(2):他行動分化強化
第13回 行動を減らす技法(3):タイムアウト,レスポンス・コスト
第14回 弁別刺激による行動の制御:般化,プロンプト,教示
第15回 情動の制御:レスポンデント条件づけによる恐怖・不安の軽減