財政学Ⅰ
担当者福田 直人教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [経営学科]
科目ナンバリングPFP-201

授業の概要(ねらい)

 財政の基礎的な枠組みを理解した上で、日本における同制度の現状と課題を理解することが本講義の目的となります。税金、財政、予算に関連する様々な報道が日々なされています。財政の概略を理解していたとしても、こうした情報の中身をきちんと理解することは容易ではありません。
 財政に関わる諸問題を理解する上で難しいのは、それが人間を相手とした制度であるが故に、単純な数学的結論に至るとは限らないという点です。諸外国を見渡せば、福祉支出をできる限り抑制している国が財政的にも健全であるのかといえば、そうでもありません。財政支出の多くを占める社会保障や福祉と呼ばれるものが市場を阻害するのか、それとも市場をより円滑に機能させるための補助エンジンになるのか、こうした見解も国や時代によって大きく変わりつつあります。
 本講義では先ず財政の基本的な理念を説明し、日本における税財政、社会保障の特徴、そしてその現状と論点を概説していきます。財政に関する見解は政府や企業、専門家においても様々に分かれています。それらを理解し判断する材料となる基礎的な知識、論点を講義致します。

授業の到達目標

 ①社会生活における財政の重要性を理解する。
 ②日本の財政に関する論点、課題を、歴史的経緯や他国との比較を踏まえて理解する。
 ③生活に密接する税金や国の予算、社会保障制度並びに社会保険制度に関する情報に対しリテラシーを身に着ける。つまり、情報が洪水のように溢れる社会において、何が自分や社会にとって価値のある情報なのか、加えてその情報の妥当性を判断できるようになる。

成績評価の方法および基準

 リアクション・ペーパー 20%
 期末試験        80%
 *本基準は小テストを行わなかった場合の「予定」である。
  ①小テストは出席率によって予告せず「抜き打ち」で行う可能性がある。
   その場合は成績評価に大きく影響するので注意すること。
  (上記の評価基準は、あくまで「予定」であることに留意されたい。)
  ②講義の3分の1を欠席した場合、単位認定の対象とならないので注意すること。
  ③欠席理由の「事後申告」は基本的には認めない。部活動等、やむを得ない理由がある場合は事前に必ず申告すること。
  ④他の学生の受講を妨げる行為を行ったものは単位認定の対象とならない。
   私語を含め講義の妨害行為は「厳禁」とする。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書毎回レジュメ(講義資料)が配布される。
事後配布は行わないので注意すること。
教科書の指定はないが、講義内容に関連する参考書として以下のものを挙げておく。
 
教科書*ご興味があれば購入してもよいが、必須ではない。
教科書*要望によっては、映像資料等を使用する場合がある。
参考文献(2013)『生活保障のガバナンス』大沢真里有斐閣
参考文献(2007)『財政学(改訂版)』神野直彦有斐閣
参考文献(2013)『日本財政 転換の指針』井手英策岩波書店

準備学修の内容

 財政は様々な分野にわかれています。すべてを網羅するのは難しいので、自分の興味のある論点を深く掘り下げることをお勧めします。新聞を読むのはもちろん、ご両親が育児(または介護)をしていれば、そのことについてお話を聞いてみるなど、方法はいろいろあると思います。テスト前はレジュメ(講義資料)を見直し、講義の内容を踏まえた上で自分の意見を一つでも述べられるように準備することを推奨致します。講義の内容が踏まえられていなければ、単位認定の対象にならないことに十分留意してください。

その他履修上の注意事項

 ①講義内において、他の学生の受講の妨げとなる行為が認められた時点で不合格とする。特に私語は本講義では「厳禁」とする。
 ②履修している学生に対して事前に説明、もしくは希望を聞いた上で授業スケジュール及び内容が変更される可能性がある。
 ③授業スケジュールはあくまで「計画」なので、毎回の講義に出席しないと講義の内容を把握することはできない。講義内容は要望があれば適宜変更する。レジュメ(講義内資料)の丸暗記のみでは単位の取得は難しいと考えること。
 ④毎回の講義で配布される講義資料の事後配布は、基本的に行わない。
 ⑤講義の3分の1を欠席した場合、単位認定の対象とならないので注意すること。
 ⑥欠席理由の「事後申告」は原則的に認めない。部活動等、やむを得ない理由がある場合は事前に必ず申告すること。
 ⑦本講義に関連することで、オフィスアワーにて面会を希望の学生は講義後等に事前にアポイントを取ること。
 ⑧期末試験は「持ち込み不可」にて実施する。

授業内容

授業内容
第1回 イントロダクション 財政学について(導入)
第2回 何故「財政」が重要か? -財政学の基礎理念-
第3回 なぜ財政支出が少ないのに、国の借金が多いのか?
第4回 なぜ財政支出が少ないのか? -少子高齢化という現象-
第5回 なぜ財政支出が少ないのか? -グローバル化という言説-
第6回 なぜ財政支出が少ないのか? -財政危機という言説-
第7回 なぜ財政危機が叫ばれ続けるのか?
第8回 「税」と「社会保険料」について
第9回 ①「社会保険」と「民間保険」について
第10回 ②「社会保険」と「民間保険」について
第11回 「市場」と「財政」の関連について
第12回 財政支出と貧困との関連について -財政の在り方と貧困との関連性-
第13回 財政支出と貧困との関連について -近年における日本と諸外国の状況-
第14回 財政学Ⅰの総復習
第15回 まとめ・試験
 ※各回の講義の内容は変更される場合がある。