会社法特講Ⅱ
担当者品川 仁美教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングCIL-314

授業の概要(ねらい)

 現代において、会社は社会経済の中心的な存在である。会社と聞くと、なにか新聞のむこうの遠い存在のように感じるかもしれないが、実際のところ会社は我々のごく身近にある存在である。たとえば、我々が日々通い詰めているコンビニエンスストアも会社であり、また多くの学生が将来就職する先も会社である。
 本講義は、時間の関係で会社法Ⅰ・Ⅱでは扱えない様々な概念や規定について勉強する。会社法特講Ⅱでは、近年よく日経新聞等で目にするであろう「敵対的企業買収」および「コーポレート・ガバナンス」について、集中的に扱う。具体的には「敵対的企業買収」「コーポレート・ガバナンス」に関する解説をした上で、関係するニュースを読み、ニュースに関するディスカッションを行う。
 応用的な内容が含まれるため、会社法Ⅰ・Ⅱをすでに履修している、もしくは並行して履修していることを前提とする。

授業の到達目標

 ①敵対的企業買収に関する様々な制度について、基本的な知識を得て、説明することができる。
 ②コーポレート・ガバナンスに関する様々な制度の違いについて、自分の言葉で説明することができる。
 ③授業で扱った重要な判例について、理解し説明することができる。

成績評価の方法および基準

 授業内の貢献度:20%
 授業内試験:80%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『会社法(LEGAL QUEST)』(第4版、2018) 伊藤 靖史、大杉 謙一、田中 亘、松井 秀征有斐閣
参考文献『会社法判例百選』(第3版)岩原紳作、神作裕之、藤田友敬編有斐閣

準備学修の内容

 教科書の該当箇所を読み、授業で扱う内容について簡単に理解しておく。
 毎日、日経新聞に目を通し、授業に関係するニュースを探して、意見や質問をまとめてくる。

その他履修上の注意事項

 会社法Ⅰ・Ⅱを履修済み、もしくは並行して履修していること。
 きちんと毎回出席することを重視する。
 六法は必ず持参すること。
 授業中の私語等、迷惑行為は慎むこと。
 授業で配布したレジュメ等は、事後的に配布することはしない。

授業内容

授業内容
第1回 ガイダンス
第2回 敵対的買収①買収の意義、友好的買収と敵対的買収
第3回 敵対的買収②敵対的買収の意義、敵対的買収の問題点
第4回 敵対的買収③グリーンメーラー
第5回 敵対的買収④買収防衛策
第6回 敵対的買収⑤日本の買収防衛策について(ニッポン放送事件、日本技術開発事件)
第7回 敵対的買収⑥事前警告型防衛策
第8回 コーポレート・ガバナンス①総説
第9回 コーポレート・ガバナンス②会社の機関設計(従来型)
第10回 コーポレート・ガバナンス③会社の機関設計(指名委員会等設置会社)
第11回 コーポレート・ガバナンス④会社の機関設計(監査等委員会設置会社)
第12回 コーポレート・ガバナンス⑤歴史と近年の流れ
第13回 コーポレート・ガバナンス⑥二つのコード
第14回 コーポレート・ガバナンス⑦海外のコーポレート・ガバナンス
第15回 まとめと授業内試験