担当者 | 能勢 和宏教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | HEA-205 |
2016年の国民投票で下されたイギリスのEU離脱という決定が、ヨーロッパのみならず日本含む世界を驚かせたことは記憶に新しい。そして2019年2月現在、離脱交渉のタイムリミットである3月29日を目前にしながら、合意の見込みが立っておらず、4月以降、どのような関係がイギリスとEUの間に築かれているのだろうか。また、その前にもウクライナをめぐるEUとロシアの対立、ギリシャを発端とするユーロ危機、シリアを中心とする中東諸国から大量に押し寄せる難民の問題など、ここ最近のEUをめぐるニュースはEUの不安定さをあらわにするものが目立っている。その一方で、昨年日本はEUと経済連携協定を結び、今後EUとの関係は強化されていくことになる。
このように今日EUはヨーロッパの状況に大きな影響を与える存在であるだけではなく、日本にとっても重要な存在となっている。では、EUとはどのような機関であり、他の国際機関と比べたとき、なぜここまでの重要性を秘めているのだろうか。EUについて耳にする機会は多くても、その実態は謎めいたままなのではないだろうか。この授業ではヨーロッパ統合の成り立ちを踏まえてEUの特徴を知ることで、EUの持つ歴史的・世界的な意義について学ぶ。
前期の授業では、EUの思想的な起源となる近世ヨーロッパの政治思想の説明から、EUの原型が築かれる1960年代までを扱う。また、今日EUをめぐる状況は日々変化しているので、そうした動きについても授業中に紹介していく。
①ヨーロッパ統合の歴史を知る。
②今日のヨーロッパにおける様々な出来事に関心を持ち、国際的な視野を身につける。
小テスト(40%)、期末試験(60%)
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 『ヨーロッパ統合史【増補版】』2014年 | 遠藤乾編著 | 名古屋大学出版会 |
ヨーロッパの近現代史に関する基礎知識があると授業の理解がはかどるので、1年次に受講した西洋史概説や高校世界史教科書を復習しておくことを推奨する。
また小テストは事前に告知をせずに行うので、復習を欠かさないこと。
授業中の私語はもちろん厳禁だが、授業に関わる意見・発言・質問などは授業中でも遠慮なく行ってもらいたい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス |
第2回 | EUの基礎知識 |
第3回 | 「ヨーロッパ」とは何を意味するのか?ーー「ヨーロッパ」概念の誕生と変遷 |
第4回 | EUの思想的起源を探るーーホッブズ『リヴァイアサン』とサンピエール『永久平和論』を読む |
第5回 | EUの思想的起源を探るーールソー『永久平和論批判』とカント『永遠平和のために』を読む |
第6回 | EUの思想的起源を探るーークーデンホーフ=カレルギー『パンヨーロッパ』を読む |
第7回 | 二度の世界大戦の与えたインパクトーー戦争のおとし子としてのEU |
第8回 | 第二次世界大戦後の世界ーー冷戦によるヨーロッパの分裂 |
第9回 | ヨーロッパ統合の実現ーーシューマン・プランの発表とECSCの成立 |
第10回 | 1950年代前半のヨーロッパ統合ーーECSCの活動とEDC・EPCの失敗 |
第11回 | 1950年代後半のヨーロッパ統合ーーEEC・EURATOMの設立 |
第12回 | 1960年代前半のヨーロッパ統合ーーEECの発展とイギリス加盟の拒絶 |
第13回 | 1960年代後半のヨーロッパ統合ーーシャルル・ドゴールの功罪 |
第14回 | 1969年ハーグ会議ーー「完成・深化・拡大」 |
第15回 | まとめと試験 |