担当者 | 内田 暁教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [法律学科 2017年度以前] | |
科目ナンバリング | CIL-210 |
普段はあまり意識しないかもしれませんが、我々の日常生活は、実に様々な「契約」に取り囲まれています。コンビニでジュースやおにぎりを買うのは「売買契約」、実家から離れて一人暮らしをするためにマンションの一室を借りるのは「賃貸借契約」。銀行にお金を預けるのは「消費寄託契約」ですし、逆にお金を借りたら「金銭消費貸借契約」を締結したことになります。アルバイトをしようと思ったら「労働契約」を結びます。将来的にマイホームを持つ際には、工務店や大工さんと「請負契約」を締結するかもしれません。このように、我々の生活は「契約」なしには成立しえないといっても過言ではありません。
本講義では、このように我々の日常生活に密接に関わる「契約」について、民法が想定している13種類の契約を取り上げ、それぞれの性質や特殊性について検討することを通じて、学んでゆきます。贈与契約と売買契約はどのような点が異なるのでしょうか。その違いから、どのような法的取扱いの違いが導かれるのでしょうか。売買契約と賃貸借契約とではどうでしょうか。また、購入した物に欠陥があった場合には、どのような法的問題が生じるでしょうか。家賃を一度でも滞納したら、直ちに賃貸借契約を解除されても仕方ないのでしょうか。本講義では、こういった問題について、民法典に定められた13種類の契約類型に即して学んでゆきます。
①民法の規定する契約類型ごとに、その基本的な性質や特徴、問題となるポイントについて理解する。
②本講義で習得した知識を活かして、社会において生起する諸問題について分析・説明できるようになる。
・学期中に3回実施する小レポートによる評価(30%)
・15回目の授業内で実施する試験の点数による評価(70%)
・出席点は、原則考慮しません(出席していれば単位が取得できるというわけではなく、逆に、出席していないから単位が取得できないというわけでもありません)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『契約法』(2018年) | 松井和彦・岡本裕樹・都築満雄 | 日本評論社 |
参考文献 | 『リーガルベイシス民法入門』(第3版、2019年) | 道垣内弘人 | 日本経済新聞出版社 |
参考文献 | 『契約法』(2017年) | 中田裕康 | 有斐閣 |
参考文献 | 『債権各論Ⅰ』(第3版、2017年) | 潮見佳男 | 新世社 |
参考文献 | 『民法判例百選Ⅱ 債権』(第8版、2018年) | 窪田充見・森田宏樹 | 有斐閣 |
【授業の進め方について】
本講義は、指定した教科書をレジュメの代わりとして使用して行いますので、受講者は当該教科書を必ず購入してください。
また本講義では、毎回の授業時に教員が予習課題と復習課題を提示しますので、受講者はこれらの課題に取り組んでください。
【予習課題について】
各回の授業時に、次回の授業で取り上げる内容に関する予習課題を提示します。
各回の授業は、事前に提示した予習課題を確認することから始めますので、受講者は、指定テキストや参考文献を手掛かりにして、課題に取り組んできてください。
【復習課題について】
各回の授業時に、その回で学習した内容を確認するための復習課題を提示します。
学期中に実施する小レポート、および学期末の試験も、この復習課題をもとに実施しますので、受講者は真剣に取り組んでください。
【学習の進め方】
学習に際しては、条文や学説、判例を暗記しようとするのではなく、「なぜこのようなルールがあるのか」「なぜこのような学説があるのか」などといった点を意識して、「理解」しようと努めるとよいでしょう。細かな学説や判例は数多くありますが、それらは樹に喩えれば枝葉のようなものです(これらの学説や判例が大事でないという意味では決してありません)。樹の枝葉は、幹から生えているのであって、それだけで宙に浮いているものではありません。法律学の修得にとっては、枝葉に集中するのではなく、まずはそれらの枝葉が生えている幹をしっかりと把握することが肝要です。本講義でも、幹を把握することを第一の目標としてゆきますが、受講者が自習する際にも、幹を意識して学習するとよいでしょう。また、分からない個所をそのままにしておくのではなく、積極的に教員に質問するなどの姿勢も大事です。質問は随時受け付けますので、お気軽にお尋ねください。
・受講時には六法(『ポケット六法』や『デイリー六法』などの小型のもので結構です)を必ず持参してください。
・授業中の私語など、他の受講生の迷惑になるような行為は厳禁です。
・本科目を受講する前に、あるいは本科目と並行して民法概論や民法総論、物権法や債権総則といった科目を受講していることが望ましいでしょう。
・民法典ではいかなる類型の「契約」が想定されているのか、それぞれどのような性質があり、特殊性があるのかとった問題について取り扱うのが「契約各論」です。これに対して、「契約」というもの一般に共通する性質や効力について取り扱うのが「契約総論」です。これら二つの科目は密接な関わりを持ちますので、受講生は、本科目と併せて(あるいは本科目の後に)「契約総論」ないし「契約法Ⅰ(総論)」の講義も受講することが望ましいでしょう。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション 契約法入門 |
第2回 | 契約総論の概観 契約各論を学んでゆくにあたって、その前提となる契約総論について簡単に概観する。 |
第3回 | 贈与契約について |
第4回 | 売買契約① 売買契約の成立と手付について |
第5回 | 売買契約② 権利の瑕疵について |
第6回 | 売買契約③ 物の瑕疵について |
第7回 | 消費貸借契約と使用貸借契約について |
第8回 | 賃貸借契約① 賃貸人・賃借人の権利・義務について |
第9回 | 賃貸借契約② 賃借権の対抗問題について |
第10回 | 賃貸借契約③ 賃借権の譲渡、転貸借について |
第11回 | 雇用契約、請負契約① 請負契約の意義と効力について |
第12回 | 請負契約② 請負人の担保責任について |
第13回 | 委任契約 委任契約の意義と効力について |
第14回 | 寄託契約、組合契約、和解契約、終身定期金契約について |
第15回 | 契約各論の総まとめと授業内試験 |