産業政策と法Ⅰ
担当者徳力 徹也教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [政治学科]
科目ナンバリングPOL-205

授業の概要(ねらい)

 本講義は、経済に関する政策について、その必要性・その形成過程を考えます。政策の必要性については、市場経済システムを前提としつつ市場の失敗の補正等の観点から説明します。また、政策の形成過程については、行政官僚の意思決定過程、政官関係等の観点から説明します。

授業の到達目標

 本講議は、主として経済に関する政策を主たる対象として、「社会の仕組みや現代社会の多様な問題の本質を分析することができる」ようになることを目標とします。
 特に、受講者において、どのような問題に対して公共的な政策が必要か、それら政策がどのように形成されるかとの論点に係る基本的認識・理解を得た上で、自分の考え方を持つようになることを目指します。

成績評価の方法および基準

基本的に試験結果(80%)、講義参加(レポート提出・発表等)(20%)に基づき評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書なし
参考文献なし

準備学修の内容

 各講義のレジメを事前配布・LMS掲載するので、当該レジメを事前に読んでください。
 レジメに記載された課題について、レポート作成・提出し、適宜指名された学生が発表するようにします。
 なお、政治・経済・社会に係る新聞記事等を日常的に読むように努めてください。

その他履修上の注意事項

 講義中の私語を厳禁とします。

授業内容

授業内容
第1回概要説明(経済・政策(政治)・法の自律性と相互浸透の関係)
第2回日本の経済システム=市場経済システムの概要・意義を考える。
第3回市場経済システムを支える法・政策①
 基本ルールと市場経済:所有権ルール/契約ルールの実施
第4回市場経済システムを支える法・政策②
 競争を維持する政策:競争政策・競争法の実施
第5回政策の必要性①
 総論(何故、政策が必要なのか?)
 市場の失敗を補正する法・政策ⅰ
 (市場の成立の確保:情報の非対称性・公共財への対応)
第6回政策の必要性②
 市場の失敗を補正する法・政策ⅱ
 (市場成果の是正:外部性・規模の経済性への対応)
第7回政策の必要性③
 所得格差を是正する法・政策
 (市場成果の是正:所得移転政策・競争制限策)
第8回政策の必要性④
 その他(幼稚産業保護論・産業構造調整策等)
第9回政策と経済・社会思想
 功利主知・リベラリズム・リバタリアニズム
 ハイエクの自生的秩序論
第10回政策形成過程論①(官僚の意思決定)
 総論(政策形成過程の概要)
 近代官僚制の基礎知識
 官僚の意思決定過程
第11回政策形成過程論②(政治家(国会議員)の意思決定)
 国会の役割・政党の役割等
第12回政策形成過程論③(政官関係)
 議院内閣制の基礎知識/部会政治の概要
 官僚制批判
第13回政策形成過程論④(審議会・業界団体等)
第14回(復習:討議)
 政策は、何故必要とされるか?
 政策は、どのように形成されるか?
第15回まとめと試験