簿記原理Ⅰ
担当者徳山 英邦教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングACC-101

授業の概要(ねらい)

 簿記・会計を学ぶと「ビジネス社会における数字の動きを絵でみる」ことができるようになります。絵でみるという意味は、貸借対照表、損益計算書といった財務諸表(決算書)に基づいて貨幣数値の動きの意味がイメージできるようになり、ひいては企業の経営活動の概要がつかめるようになるということです。この科目は初学者を対象として、「簿記一巡の手続き」の把握、財務諸表の意味を理解するための授業内容になります。講義方法は、当日の学修テーマを概説し、演習問題で具体的課題箇所を実感してもらった上で、再度その意義を解説する手順をとります。

授業の到達目標

 到達目標は、複式簿記の基礎的な知識を持ち、かつ、初歩的な簿記処理および企業活動の概要把握ができるようになることです。具体的には次の3つです。
 ①現金勘定の記帳の仕方(仕訳帳への記入ルール、元帳への記入ルール)を確実に体得すること。
 ②資産、負債、資本(純資産)、収益、費用グループの各勘定科目の特徴と結びつき方を、記帳実践によって理解していくこと。
 ③加法的減算、貸借平均の原理、貨幣価値計算の特徴など、ビジネスの言語の重要な基礎概念を知ること。

成績評価の方法および基準

 簿記を習得するためには、実際に作業することが必要です。したがって、授業中の演習問題や小テストの達成状況・受講態度等(35%)、定期試験の成績(65%)を目安として、総合的に判断します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『エッセンス簿記会計』(第15版)新田忠誓、他著森山書店
参考文献『全経簿記能力検定試験公式テキスト&問題集基礎簿記会計営利分野編』新田忠誓 監修ネットスクール出版

準備学修の内容

 授業中に配布するプリントを自分で解き、各回の学修事項を教科書と関連づけて反復して理解するように努めてください。簿記の習得には、自ら実際に計算し記帳することが必要です。教科書には練習問題が付いていますが、これだけではついていけないという人には、上記参考書の学習を勧めます。

その他履修上の注意事項

 計算機、3色ペン、各回に配布済みのプリントを毎回持参して下さい。携帯電話やタブレット端末を計算機として使用しないで下さい。宿題等の回収は、その都度、指定した時間に行ないます。自分の都合で後から提出することなどは認めませんので、遅刻や欠席はしないで下さい。

授業内容

授業内容
第1回 ガイダンス(授業の進め方、成績評価、簿記学修の心構えと効用、資格取得等の紹介)
第2回 企業活動(ヒト、モノ、カネの動き)と簿記の役割
第3回 複式簿記の概略(家計簿と企業簿記の比較、店と奥の分離、他)
第4回 損益計算書と貸借対照表の作成、2つの報告書の特徴と関係
第5回 勘定と取引記録の原則(加法的減算、「科目別」ノートと「日付別」ノートの連携)
第6回 仕訳帳(企業の日記帳:「日付別」ノートへの記入)とダブル・エントリー・システム
第7回 総勘定元帳(企業財産の管理帳:「科目別」ノートへの記入)とダブル・エントリー・システム
第8回 試算表(記録の検証確認、数値の要約・一覧化)の作成、貸借平均の原理、自己検証機能
第9回 精算表(6欄)の作成(決算過程の概観、数値の要約・一覧化)
第10回 決算の意味と手続き(帳簿決算)
第11回 損益勘定(損益計算書)と残高勘定(貸借対照表)の相互関連
第12回 簿記上の現金、現金預金取引
第13回 商品売買取引の記帳法(分記法と三分法)
第14回 売買取引(現金取引と掛取引)と貸借取引、そして交換取引と損益取引
第15回 総括(これまでの授業のまとめ(含:小テスト)と今後の簿記学習の仕方)