担当者 | 藤本 龍児教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [社会学科] | |
科目ナンバリング | SOC-322 |
世界は、何によって動いているのでしょうか?
現代では、政治的な理念や経済的な利害だけでなく「文化的な価値」が注目されるようになってきました。言語や歴史、宗教などによって織り成される「文化」が現代社会を動かしている、ということが改めてわかってきたのです。例えば、カナダにおけるケベックの分離運動や、ロシアにおけるチェチェンの独立運動、中国におけるチベットの抵抗運動などが挙げられます。あるいは、アメリカにおける9・11同時多発テロも挙げられるでしょう。そこには、たとえ経済的な不利益をこうむったり、極端な場合には命を犠牲にしたりしてでも、ある種の「文化的な価値」のために行動を起こし、その渦中に身を投じる人びとがいます。なぜ「文化」は、そこまで大きな力をもっているのでしょうか?
「文化」をおおよそ共有している広い範囲のことを「文明圏」と呼ぶことがあります。端的に「文明」といえば、政治制度や経済システム、法秩序、産業構造など、いずれの社会にも共通する普遍的な仕組みのことを言います。しかし、そうした仕組みは、それを支える世界観や思想がなければ機能しません。ここでいう「文明」とは、個別の文化を含んだ具体的なものであり、それゆえ多様なものです。そして、現代の世界では、多様な文明のあいだで、対立や軋轢が生じているのです。
本講義では、共生文明論Ⅰに続いて、こうした意味で現代世界を動かしている「文明」を論じます。とりわけ、現代文明のモデルとされている「アメリカ」を中心にして、多様な文明が共生していくためには何が必要か、ということを考えていきます。
現代の世界を「文明」という観点から捉え、考えられるようになること。
・原則として8割以上の出席を前提とする。
・適宜おこなう感想文の提出を必須とする。
・試験において講義内容とテキストにかんする理解度を問う。
・以上に授業態度をくわえ、総合的に判断する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『アメリカの公共宗教:多元社会における精神性』2009年 | 藤本龍児 | NTT出版 |
参考文献 |
この講義には、特別な前提知識は必要ありません。
しかし内容を理解するには、自分の経験と合わせて考えることが重要になります。
講義中はもちろん、日常生活のなかでも、実体験と合わせて考えてみるようにしてください。
この講義だけで一つのまとまりをもっていますが、共生文明論Ⅰを履修していることが望ましい。
講義は以下のような内容を計画しています。ただし、受講者の理解や関心に応じて柔軟に改変していきます。
回 | 授業内容 |
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第1回 | はじめに |
第2回 | グローバリゼーションとは何か? |
第3回 | グローバリズムとは何か? |
第4回 | グローバリゼーションとグローバリズム |
第5回 | アメリカニズムとは何か? |
第6回 | 帝国主義 |
第7回 | 新しい帝国主義 |
第8回 | アメリカの保守主義 |
第9回 | アメリカの新保守主義 |
第10回 | アメリカの宗教的使命観 |
第11回 | リベラル・デモクラシー |
第12回 | リベラル・デモクラシーの普遍化 |
第13回 | リベラル・デモクラシーと宗教 |
第14回 | ポスト・アメリカニズム |
第15回 | おわりに |