西洋史特殊講義4B-Ⅱ
担当者藤本 啓助教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングHAA-210

授業の概要(ねらい)

 古代オリエントの歴史を概観します。楔形文字の粘土板をはじめとする原典史料を読み解きながら、主に古代メソポタミア人のもたらした官僚機構、社会制度、信仰体系などについて講義します。今年度、Ⅱではメソポタミアを離れ、前2千年紀後半のシリア・パレスチナ地方の宗教、特にヤハウェ唯一信仰成立までの流れについて講義します。

授業の到達目標

 今、私たちを悩ませている様々な社会矛盾の芽が遠い過去にさかのぼるものであること、およびそれが生じた背景を理解し、自分の言葉で語れるようにすることを目標とします。

成績評価の方法および基準

 中間テストと期末レポートの成績を総合して評価します。レポートの点数にやや重きを置きますが、基本的に両者の合計点のみが評価対象です。出席は取りませんが、授業をろくに聞かずに単位を取ることはほぼ不可能であろうと思われます。評価は厳しいので、特に就職を控えた4年生は十分検討の上、受講してください。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキストは使用せず、毎回の授業で配布するプリントの中で、随時参考文献を紹介します。
参考文献世界の歴史④オリエント世界の発展小川他中公文庫、2009年
参考文献聖書時代史―旧約篇山我哲雄 岩波現代文庫、2003年

準備学修の内容

 プリントで紹介された参考文献の該当箇所を熟読しておくこと。

その他履修上の注意事項

 受講生の多くはこの分野にあまりなじみがないと思われるので、できる限りわかりやすく説明するつもりです。ただし、やる気も努力する気もなく、安易に単位だけ取ろうと思っている学生には退屈で厳しい授業となりますので、受講をすすめません。

授業内容

授業内容
第1回 ガイダンス
第2回  メソポタミアの宗教観
第3回 メソポタミアの単一神信仰
第4回 シリア・パレスチナの宗教(1)多神教の世界
第5回 シリア・パレスチナの宗教(2)エル神とバアル神
第6回 エジプトの宗教観
第7回 エジプトの単一神信仰
第8回 中間テスト
第9回 アマルナ革命とその影響
第10回 青銅器時代の終焉と信仰の変化
 中間テスト返却・解説
第11回 ヤハウェ一神教の起源(1)エル神とヤハウェ神
第12回 ヤハウェ一神教の起源(2)ヤハウェの「唯一神」化
第13回 超越的・普遍的宗教の誕生(1)「枢軸の時代」について
第14回 超越的・普遍的宗教の誕生(2)世界各地の例
第15回 後半期授業の補足