地理学特殊講義1B-Ⅰ
担当者吉野  裕教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングGGR-201

授業の概要(ねらい)

 人間は動植物・昆虫を採取・狩猟・愛玩・鑑賞・信仰の対象とするなどして、これらと様々な関係性を築いてきました。これらの存在は、我々人間の生活にとって不可欠なものになっています。この講義では「動物地理学」・「文化地理学」のふたつの視点から、特定の生物の分布範囲が確定される理由を解説するとともに、動植物・昆虫と人間との間にみられる様々な関係性をテーマとした研究を多数紹介していきます。その際には、これらの研究がどのような調査・分析方法を採用しているかについても説明を行います。

授業の到達目標

①生物の分布範囲が確定される理由を理解し、これについて具体的な事例を挙げて説明できる。
②人間と動植物・昆虫との間にみられる様々な関係性について、専門用語を用いて地理学的な視点から説明できる。

成績評価の方法および基準

試験の結果(80%)と受講態度(20%)をもとに、総合的に評価を行います。
 ・試験による成績評価の基準:生物の分布範囲が確定される理由、ならびに人間と動植物・昆虫との間にみられる様々な関係性について、専門用語を用いて地理学的な視点から説明できているかを基準に成績を評価します。
 ・受講態度による成績評価の基準:毎回、講義時にリアクションペーパーを配布します。その記載内容に応じて、受講態度を評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特に指定しません。毎回、プリントを配布し、これに基づいて講義を進めていきます。
参考文献『生き物文化の地理学』池谷和信編青海社
参考文献『日本の動物はいつどこからきたのか』京都大学総合博物館編岩波書店
参考文献『害獣対策の設計・計画手法』農村計画学会監修、九鬼康彰・武山絵美著農林統計出版
参考文献上記以外に様々な参考文献を紹介します。

準備学修の内容

・事前に、授業内容に関する書籍を図書館で探して読み、知識を獲得してください。
・授業で取りあげた専門用語の意味を地理学とその隣接分野の事典で調べ、ノートにまとめてください。

その他履修上の注意事項

・毎回、リアクションペーパーを配布します。これに質問・意見・要望などを自由に書いて提出してください。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス、受講上の諸注意
第2回動物地理学と文化地理学の位置づけ
第3回動物の分布はどのように決まるのか?
第4回野生動物による被害①江戸時代の被害と対策
第5回野生動物による被害②平成期の被害の概要
第6回野生動物による被害③地域社会が直面する課題
第7回生活を豊かにする動物①家畜としての動物
第8回生活を豊かにする動物②富をうみだす動物
第9回生活を豊かにする動物③ペットとしての動物
第10回生活を豊かにする動物④人脈の構築を促す動物
第11回植物・昆虫と地域文化①クリと和菓子
第12回植物・昆虫と地域文化②キノコと東北地方の食文化
第13回植物・昆虫と地域文化③ハチの捕獲と食品加工
第14回動植物・昆虫に対する信仰
第15回まとめと試験