観光人類学Ⅰ
担当者渡部 瑞希教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [観光経営学科]
科目ナンバリングCUA-201

授業の概要(ねらい)

近年、地域活性化や地域創生、貧困削減、震災復興を促すものとして、観光開発が注目をあびています。しかし、そんな可能性に開けた観光開発にも「影」の側面はあります。たとえば、経済格差や環境汚染、伝統文化やコミュニティの生態系の破壊が、観光開発によって拡大してしまうこともあります。そうした「影」の部分を最小限にするためには、観光地化される現場の事情や問題を知っておく必要があります。そこで本講義では、アジア、オセアニア諸国、アフリカ、日本等、世界各国の観光開発を事例に、その“光”と“影”の両方を学習することで、どのような観光開発が求められているのかを考えていきます。

授業の到達目標

・観光開発の“光”と“影”の両側面を理解する
・観光開発によるさまざまなツーリズムの形態を学習する
・観光開発に関わる地域住民や旅行会社、NGO団体などの立場を理解する。

成績評価の方法および基準

平常点30点(受講態度10%、コメントペーパーと事前学習 20%)
試験 70%(講義内の小テスト 30%、期末試験 40%)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献スミス、ヴァレン2018『ホスト・アンド・ゲスト―観光人類学とは何か』ミネルヴァ書房山下晋司編1996『観光人類学』新曜社アーリ、ジョン2014『観光のまなざし』叢書・ウニベルシタス

準備学修の内容

・授業でとりあげるテーマに関連する情報を、事前学習として授業前に読んでおく(→理解度が変わります)。
・講義後にコメントペーパーor課題or小テストの提出を求めます

その他履修上の注意事項

講義形式で授業を行います。講義内で明確な答えは出ませんが、「どうしたらよいか」と常に考えながら講義に望んでください。当然のことながら私語は厳禁

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回観光人類学とは何か?
第3回観光開発の起源―イギリスの産業革命
第4回観光のまなざし
第5回伝統の創造論
第6回観光開発の担い手たち
第7回小テスト
第8回コミュニティ・ベースド・ツーリズム―幸せの国、ブータンの観光開発事例を取り上げます
第9回スラム・ツーリズム―フィリピン、インド、アフリカのスラムの事例を取り上げます
第10回ダーク・ツーリズム―カンボジアのキリング・イールド、アウシュビッツ、京都怪談ツアー等の事例を取り上げます
第11回震災復興ツーリズム―東日本大震災の事例を取り上げます
第12回エコ・ツーリズム―西表島、ガラパゴス諸島、ネパールの国立公園等の事例を取り上げます
第13回巡礼ツーリスズム―四国巡礼、メッカ巡礼の事例を取り上げます
第14回総括と試験対策
第15回まとめと試験