法思想史Ⅰ
担当者長谷川 陽子教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングFUL-203

授業の概要(ねらい)

 西洋法思想の歴史的流れを、各思想家が展開した理論を中心に概観します。人間の営為にとって、法とはどのようなものであり、法を用いて人は何をしようとしていたのかを考えていきます。講義で扱う法思想は、当時の哲学・宗教・科学・文化の展開や、政治・経済の動向などとも関連しています。そうした背景を意識しつつ、各法思想家の理論と基本的特徴をつかむために、原典に触れつつ解説をします。法思想史Ⅰでは古代から近代までの思想を中心に扱います。

授業の到達目標

 ①法思想の歴史的な流れを理解することができる。
 ②現代の法と法思想との関連を把握することができる。
 ③講義で得られた知見を、言語化して他者に説明することができる。

成績評価の方法および基準

 学期末の論述式試験(80%)を中心に評価します。出席確認を兼ねた感想シートを配布し、内容に応じて加点(20%)をします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『よくわかる法哲学・法思想 第2版』2015年深田三徳・濱真一郎編著ミネルヴァ書房
教科書適宜レジュメを配布
教科書その他参考文献については、随時お知らせします。
参考文献『近代法思想史入門:本と西洋の交わりから読む』2016年大野 達司・森元 拓・吉永 圭著法律文化社
参考文献『はじめて学ぶ法哲学・法思想―古典で読み解く21のトピック』2010年竹下賢・角田猛之・市原靖久・桜井徹編ミネルヴァ書房

準備学修の内容

 授業の該当箇所の教科書とレジュメ内容などの予習・復習を行ってください。
 関心を持った原典については、各自で読み進めるようにしてください。

その他履修上の注意事項

 内容の連続性から法思想史Ⅱを継続して受講することが望ましいです。
 講義中は、他人への迷惑行為および私語を禁じていますので、該当の場合には退室をお願いしています。

授業内容

授業内容
第1回 イントロダクション:授業の概要と進め方 法思想史の説明
第2回 ギリシャ・ローマの法思想
第3回 中世・近世の法思想
第4回 近代自然法論の特徴と機能(1)―ホッブズ、ロック
第5回 近代自然法論の特徴と機能(2)―ジェファーソン、ルソー
第6回 カントとヘーゲルの法思想概観
第7回 自然法批判と法実証主義的法思想
第8回 分析法学と歴史法学、歴史法学と概念法学
第9回 国際社会における法の支配
第10回 国家と法の階級性
第11回 価値相対主義法哲学―ラートブルフ
第12回 イデオロギー批判と民主主義
第13回 日本の法思想の概観
第14回 自然法論の概観と法実証主義による批判(1)
第15回 自然法論の概観と法実証主義による批判(2)