担当者 | 中田 好泰 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [法律学科 2017年度以前] | |
科目ナンバリング | CIL-401 |
本授業は、民法各分野の知識を基礎にして教科書の設問を検討することにより、事例を分析する能力を高め、公務員試験など各種資格試験に対応できる力を養うことを目的としています。
分野としては民法総則を取り上げます。
授業では、基礎的な知識を確認しながら論述の組立てを板書して理解を深めていきます。
併せて、実際の民事裁判や弁護活動の模様にも適宜言及します。
公務員試験などの各種資格試験に対応できるよう知識を確認し事案分析能力を養うこと。
具体的な事例に対して条文や原理原則を当てはめて解決する能力を高めること。
定期試験(100%)
試験に際しては、教科書・参考書・ノート類、六法などの持込みを許可します。
試験の形式は、①知識を確認する正誤問題(4問~5問)、②簡潔な事例問題(1問)を出題します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『Law Practice民法Ⅰ【総則・物権編】』(第4版) | 千葉恵美子・潮見佳男・片山直也編 | 商事法務 |
参考文献 | 『民法判例百選Ⅰ 総則・物権〔第8版〕』(2018) | 潮見佳男・道垣内弘人編 | 有斐閣 |
教科書は、具体的な事例を設定して解説を行う形式でまとめられています。
事前に、事例の中でポイントと思われる箇所をノートに抜粋し、解説に関しても同様に簡潔なまとめを作成することが肝要です。
授業中は、基礎的な知識の確認や論述の組立てを板書します。板書内容を事前の抜粋やまとめと比較することで、より一層事例に対する理解が深まるものと考えます。
民法分野のうち、民法物権総論、債権各論が特に密接に関係するので知識の再確認が必要です。
各種資格試験への対応を配慮していますが、事例分析能力の向上を目指しますので、法的感覚を磨くことを目標とする学生諸君の参加も希望します。
教科書の重要な箇所については授業中に適宜言及します。その点のチェックと板書内容を記載したノートで定期試験に対応できるよう配慮しています。その点に留意して授業に臨まれることが肝要です。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス (授業の進め方、民法の事例問題への対応、試験について説明します) |
第2回 | 行為能力 (未成年者の行為能力の制限~法定代理人による財産管理~相手方の保護~取消しによる原状回復義務) |
第3回 | 法人:理事の代表権の制限① (代表理事の代表権~任意的制限に反する行為の効力~相手方が代表権の制限について悪意である場合の表見法理による保護) |
第4回 | 法人:理事の代表権の制限② (法定決議事項による代表権の制限~法人の不法行為責任) |
第5回 | 公序良俗と不法原因給付 (公序良俗~不法原因給付) |
第6回 | 民法94条2項類推適用とその限界 (無権利の法理と不動産取引の安全~民法94条2項類推適用法理の意義~民法94条2項類推適用の要件~民法94条2項類推適用の限界) |
第7回 | 「法律行為の基礎とした事情」と錯誤① (動機の錯誤の法的取扱いをめぐる従来の理論~改正民法における「表示」要件と従来の判例~改正民法95条2項の「表示」と契約の解釈) |
第8回 | 「法律行為の基礎とした事情」と錯誤② (「表示」要件と錯誤の重要性~表意者の重過失~売主の契約不適合責任との関係) |
第9回 | 代理権の濫用① (代理権の濫用とは~代理権濫用の要件) |
第10回 | 代理権の濫用② (代理権濫用行為の効果~代理権濫用と転得者~代理権を濫用した代理人の責任) |
第11回 | 表見代理109条1項 (有権代理・無権代理の追認・表見代理の連続性~白紙委任状と改正民法109条1項) |
第12回 | 時効①:消滅時効と除斥期間 (消滅時効と除斥期間の違い~消滅時効と除斥期間を判別する基準) |
第13回 | 時効②:賃借権の取得時効 (賃借権の時効取得~無権原者による土地賃貸の問題点) |
第14回 | 総復習① |
第15回 | 総復習② |