担当者 | 前川 正教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [経済学研究科 経営学専攻] | |
科目ナンバリング |
本演習がテーマとする「ERM」は、Enterprise Risk Management の略語です。リスク管理の伝統的なツールとして古くから活用されている保険において、Risk Management は切り離せない関係にあります。しかしながら今日のようにERMの枠組みが体系化され保険会社の経営管理体系として定着したのは最近の事です。演習Ⅰでは保険ERMを過去からの流れの中で振り返ります。次に保険ERMという枠組みをいかに活用するかという観点からリスクに対する意思決定上の論点について整理します。本演習は「リスクと保険特講Ⅰ・Ⅱ」の受講生を主な対象とします。保険ERMに関する基礎知識を深め修士論文の執筆に必要なことを修得することが狙いです。
①リスク管理プロセス、リスクガバナンス、リスクアペタイト・フレームワークといった基本事項について理解できます。
②ERMの構成要素が今日の姿に至った背景について修得できます。
③リスクに対する合理的な意思決定について学ぶことができます。
④ERMが目的とする保険リスクポートフォリオ管理について学ぶことができます。
課題レポート 60%
プレゼンテーション 30%
ディスカッション 10%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『保険ERM基礎講座』 | 後藤茂之[著] | 保険毎日新聞社 |
参考文献 | 『ERMは進化するー不確実性への挑戦』 | 後藤茂之[著] | 中央経済社 |
当日の講義は前回講義の各自の復習をもとに進めますので次のような準備学修課題を課します。
①前回講義で使用したパワポ資料は前回講義の翌日にはLMSにアップ、復習を兼ねてパワポ資料を熟読してください。
②講義内容に関連する文献等(各回講義の中で都度参考文献は紹介)の自主学習に取組んでください。
③当日の講義ではレジュメを配布しますので講義内容の重要点を補記し復習に活用してください。
④課題レポートの作成(複数回)
①欠席及び公欠の扱いについては原則大学の規定にフォローします。
②他の受講生の迷惑にならないように最低限の授業におけるマナーは厳守してください。
③受講に対してとくに対応が必要な場合(病気・ケガ・障害)は遠慮なく申し出てください。
④授業をよりよくしていく上での意見・感想・コメントも遠慮なく連絡ください。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション-自己紹介・授業の進め方・成績評価の方法および基準・準備学修の内容等の概要説明 |
第2回 | 保険ERMの過去・現在(1) 普遍的な保険制度の本質とERMの意義 |
第3回 | 保険ERMの過去・現在(2) リスク管理の重要性 |
第4回 | 保険ERMの過去・現在(3) 保険会社のガバナンス |
第5回 | 保険ERMの過去・現在(4) ナレッジの集大成としてのモデルとその限界 |
第6回 | 保険ERMの過去・現在(5) 金融危機とERMの強化 |
第7回 | 保険ERMの過去・現在(6) リスクアペタイト・フレームワークの実効性とコンダクトリスクへの関心 |
第8回 | 保険ERMの活用上の論点(1) 意思決定における錯覚と判断上のリスク |
第9回 | 保険ERMの活用上の論点(2) ERMの実効性を担保するリスクカルチャーの重要性 |
第10回 | 保険ERMの活用上の論点(3) 判断上のリスクに対するアプローチ |
第11回 | 保険ERMの活用上の論点(4) 保険で対処できる領域と限界 |
第12回 | 保険ERMの活用上の論点(5) 保険会社の使命と枠組み |
第13回 | 保険ERMの活用上の論点(6) 不確実性を捉える視点 |
第14回 | 保険ERMの活用上の論点(7) 保険のポートフォリオの特徴と資本の管理の概念 |
第15回 | 保険ERMの活用上の論点(8) コーポレートファイナンスと資本コスト・規制資本とストレステスト |