現代政治制度分析Ⅰ
担当者川人 貞史教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [政治学科]
科目ナンバリングPOL-303

授業の概要(ねらい)

現代政治制度分析では,政治アクターが活動する制度的コンテクストを提供するさまざまな政治制度について分析します.政治制度は効用最大化をめざす政治アクターに対して制約条件として機能します.現代の大規模民主政治においては,有権者が直接参加する直接民主政治を実現することは不可能であり,間接民主政治が必然です.現代政治制度分析1では,特に議院内閣制に焦点を当て,そこにおける有権者から議員へ,議員で構成される議会から内閣へ,首相から各大臣へ,大臣から行政官僚制へと行われる委任と責任の関係について考察します.民主的政治制度としての議院内閣制を大統領制と対比してその制度的特徴の違いを説明します.さらに,日本を事例として,議院内閣制の諸制度について概説します.

授業の到達目標

①現代民主政治における政治制度の役割について,理解します.
②現代日本の政治制度についての理解を深めます.
③政治制度の制約の下で政治アクターがどのように行動するかについて理解します.

成績評価の方法および基準

 授業の各回における出席および随時実施するミニ課題の回答(50%),授業内試験(50%)にもとづいて評価します.

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『議院内閣制』2015年川人貞史東京大学出版会
教科書その他は授業で適宜指示します.
参考文献

準備学修の内容

講義前に,テキストの該当箇所を読んで予習してきてください.事前に読んでわからなかったことは積極的に質問するようにしてください.
講義後には,とったノートを読み返し,自分のまわりの政治現象について政治学的な考え方を応用してみましょう.
テキストを読まなければ,講義に出席しても,期末の授業内試験を受験しても,よい評価で単位を取得することは,むずかしいです.

その他履修上の注意事項

 秋学期の現代政治制度分析Ⅱも履修してください.
 自分で自ら考える習慣をつけるようにして,自分が日頃ニュースやネットなどで触れる政治について疑問を持つようにしてください.

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション
第2回政治制度とは何か
第3回各国で異なる議院内閣制の作動
第4回議院内閣制の起源と発展
第5回議院内閣制の特質
第6回委任と責任の連鎖
第7回戦前日本の内閣制度
第8回1947年の議院内閣制
第9回戦後日本の政治過程
第10回1990年代以降の議院内閣制
第11回内閣の存立と議会
第12回信任関係
第13回解散
第14回立法と2院制
第15回まとめと授業内試験