担当者 | 石川 敬史教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | HEA-207 |
この授業は、日本にとってもっともつきあいのある国家であるアメリカ合衆国の成立過程を歴史的に検討するものです。現在のアメリカ合衆国は、17世紀にイギリスの植民地としてその歴史を始めました。イギリスをはじめとしたヨーロッパの人々が、いかなる経緯からアメリカ大陸に入植し、いかなる理由でイギリスからの独立を決意するに至ったのか、そして、独立国として彼らはいかなる国家を創設したのかを現在の最新研究をもとに検討していきます。本授業前半の5B-Iでは、アメリカ大陸への入植から独立戦争までを射程とします。
日本とは異なる歴史空間を理解する視座を獲得する。
史料を読む意義を理解し、その読み方を学修する。
今日のアメリカ合衆国、および国際社会を読み解く教養を身につける。
この授業は講義形式ですので成績評価は下記のような筆記試験で行います。
セメスター内に行う2回の小テスト:20%
授業最終日に行う授業内試験:80%
※小テストの時期については、授業の進行状況によって調整が必要となるため、授業内で指示します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 指定しない。授業ごとにレジュメ、史料を配布する。 | ||
参考文献 | 『アメリカ革命史研究ー自由と統合』 | 斎藤眞 | 東京大学出版会 |
指定した史料や文献を事前に読んでから授業に臨んでください。
授業で配布したレジュメ、史料およびノートを読み返し、十分な復習に努めてください。
史学科の学生にとっては、アメリカ革命史は初めて学ぶ事柄であるかと思われますので、まずは復習に8割の時間をとってください。
質問を積極的に行ってください。
受講に当たって事前知識は必要としていません。
授業中の質問にためらいがあるようであれば、授業終了後、あるいはオフィスアワーに遠慮なく教員に尋ねてください。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス この授業の概観、運営方法、学修についての指針、成績評価の方針について解説します。 |
第2回 | 1. アメリカ大陸の風土とイングランドからの移民 (1)原型としてのプリマス植民地 (2)人口の混在的構成 (3)権力の契約的創設 |
第3回 | 2. アメリカ史の原罪:先住民排除による空間の獲得 (1)依存・対等から敵対・排除へ (2)土地獲得の正当化 (3)フレンチ・インディアン戦争 |
第4回 | 3. 政治権力の風土的規定(その1) (1)権力への参加:民主政 (2)権力の制限:立憲政 |
第5回 | 4. 政治権力の風土的規定(その2) (3)権力への別離:共和政 ・「議会内の国王」と「議会内の国王」 ・不在君主と共和政 |
第6回 | 小テスト(30分) これまでの総括 |
第7回 | 5. 植民地時代における連合の系譜 (1)北アメリカ13邦と連合 (2)大陸会議と独立宣言 |
第8回 | 6. 「独立宣言」における分離・革命・統合(その1) (1)コロニーとステイツ (2)同君連合という認識の破綻 |
第9回 | 7. 「独立宣言」における分離・革命・統合(その2) (3)13共和国の形成 (4)13共和国の連合 (5)13共和国の統合 |
第10回 | 8. 共和国から疎外された人々 (1)忠誠派 (2)黒人奴隷 (3)先住民インディアン (4)女性 |
第11回 | 9. 予備考察 ・植民地時代から反イギリス独立抗争史の補説 |
第12回 | 10. 小テスト(30分) これまでの総括 |
第13回 | 11. アメリカ合衆国憲法(その1) (1)ナショナリスツ (2)フェデラリストとアンティ・フェデラリスト |
第14回 | 12. アメリカ合衆国憲法(その2) (3)「権利章典」とアメリカ合衆国憲法 (4)アメリカの立憲主義 |
第15回 | 授業内試験(60分) 全体総括 |