美術表現
担当者水島 ゆめ
単位・開講先選択  1単位 [初等教育学科 こども教育コース]
科目ナンバリングESS-107

授業の概要(ねらい)

 授業では、さまざまな造形表現の実習を通して、受講生自らが活動を十分楽しみながら子どもの美術表現の題材や指導法を身に付けていきます。
 造形活動における、「材料(場所)」、「操作(行為)」、「イメージ(思い)」の3つの要素から、自分で感じたり、つくったり、表したり、鑑賞したりする活動を楽しみながら行います。身近な環境の中でも美術的な表現に昇華できるよう思索し、グループワークではお互いの表現によるコミュニケーションを培います。また、作品鑑賞では他者の表現への理解に努め、作品へ敬意を持って対峙できるようにします。
 造形による表現は、子どもの生活にとって大切な「環境」を提供しています。それは、「形や色やイメージ」、そして「モノの肌触り(質感)」などを通した活動を十分楽しみ味わうことで、子どもの感性を高め、表現力を豊かにします。技術と知識の習得と共に、子どもの創造力の芽生えに寄り添った活動が十分に行えるよう活動していきます。

授業の到達目標

 ・造形教育の基礎的な知識・技能を身に付ける。
 ・発想や構想の能力を高め、創造的な技能を働かせ、自分なりの造形表現や鑑賞活動ができるようにする。
 ・造形教育の実践的指導力を身に付ける。
 ・学習内容を「ポートフォリオ」にまとめ、自分なりに省察する。

成績評価の方法および基準

 ①「ポートフォリオ」作成と提出。60%
  ・授業内で制作した作品や作品の写真をきちんと記録しているか。
  ・学習内容や活動の流れを明示しているか。
  ・学習内容や活動への自分の考察を書いているか。
  ・学習内容や活動を美的に構成し、まとめているか。
 ②授業での主体的な表現活動と鑑賞活動。20%
 ③授業への関心・意欲・態度。20%
 …以上の観点から総合的に判断します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書テキスト 特にありません。随時資料を配布します。
参考文献『絵本と社会(絵本学講座3)』(朝倉書店)
参考文献『色のまなび事典』(星の環会)

準備学修の内容

 ◯「ポートフォリオ」は、各自、写真等を印刷し、配布資料とともに、所定のスケッチブックに作成してください。
 ◯「ポートフォリオ」は、授業を振り返りながら、コツコツと作成してください。
 ◯必要に応じ、制作に使用する身近な材料を探して持参してください。
 ◯授業で紹介した「展覧会」「児童作品展」「造形教育関係の施設」などに足を運び、鑑賞したり、見学したりするなど、造形教育への見聞を高めてください。

その他履修上の注意事項

 ◯子どもの気持ちや視線をもって活動し、実際の指導に生かせるようにイメージしながら受講してください。
 ◯実技を中心とした授業です。汚れてもよい服装で参加ください。
 ◯友人との共同の活動や後片付けなどの環境設定等に気を配りながら活動してください。
 ◯進度や学習状況で、内容を適時変更する場合がありますので、留意ください。

授業内容

授業内容
第1回・オリエンテーション(授業計画、評価、授業を受けるにあたっての留意事項など。)
第2回・見立ての物語①(子どもの「みたて遊び」を理解し、2面物語を制作する。)
第3回・見立ての物語②(自作の物語の発表と他者の物語の鑑賞。)
第4回・路上観察学習(日常の中での見立てを探し、ランドアートを制作、記録する。)
第5回・ゆびえのぐ(絵の具を手で触り絵を描く。子どもの五感の発育を促す活動を考え、身体と描画表現の関わりを深める。)
第6回・抽象画(モダンテクニックの技法を用いて抽象画を描く。)
第7回・トラス構造を使った立体制作①(棒状の材料による立体造形制作。)
第8回・トラス構造を使った立体制作②(棒状の材料による立体造形制作。発表、鑑賞。)
第9回・布によるコラージュ(布の端切れを用いて、コラージュ技法を学ぶ。)
第10回・エアーアート①(グループによる制作。ビニール袋と空気を用いて作品制作。)
第11回・エアーアート②(グループによる制作。ビニール袋と空気を用いて作品制作。発表、鑑賞。)
第12回・風船張り子①(紙や糸等の身近な素材の持つ可能性を深める。)
第13回・風船張り子②(紙や糸等の身近な素材の持つ可能性を深める。発表、鑑賞。)
第14回・ライトドローイング(カメラのシャッタースピードを調節し、光源を用いて空間に絵を描く。子どもの身体と描画表現の関わりを深める。)
第15回・まとめ(「ポートフォリオ」提出、相互評価。)