担当者 | 神田 基史教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [教育文化学科] | |
科目ナンバリング | EDU-116 |
今日、共生社会の形成が求められており、我が国でもその実現に向けて関係法令・諸制度等の改定・改善が進められ、障害者の権利条約が批准された。教育の分野においても、特殊教育から特別支援教育への移行を経て、さらなる共生社会の実現をめざした「インクルーシブ教育」への発展が目指されている。教師を目指す者に対して、一層の視野を拡げるためにも障害者の社会生活を直視し、その諸課題を明らかにしながら、共生社会の実現を目指す取り組みを創出する必要がある。
そこで、本授業では書籍や新聞等の事例や記事に関して、討議・討論する活動を通して、障害者の社会生活における医療・福祉・労働・社会生活等における今日的な諸課題を明らかにし、法律・制度等の基本的な考え方を押さえながら、望ましい共生社会の実現に向けた課題解決の方向を探る。併せて、学校教育は今後どのようにこの問題と関わるべきかについても検討を進める。書籍や新聞記事から自分なりの課題を見つけ、発表(プレゼンテーション)・討議する活動を中心に置く。
【共生社会】共生社会とは、これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった障害者等が、積極的に参加・貢献していくことができる社会である。それは誰もが相互に人格と個性を尊重し支えあい、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会である。
障害者を巡る考え方の変化や今日的課題を理解する。
書籍や新聞記事の事例に学び、誤解や偏見をただし、障害者の自立と社会参加について障害者の立場を踏まえて考える。
障害者と人権、子どもと人権について新聞記事や教育雑誌等の具体的事例・事件を選択し、内容を考察・発表する。
「インクルーシブ教育システム」「合理的配慮」の観点から学校教育の今後の在り方について展望する。
事例の発表(プレゼンテーション)30%、授業内試験(第15回)50%及び授業参加態度20%(討論・討議の発言内容・発表内容等)、課題レポートなどを通じて総合的に判断する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 特定のテキストは使用せず、その都度必要な資料等を配付する。 参考文献等はその都度内容に沿って紹介する。 各自が持ち寄った資料・文献を全員に配付する | ||
参考文献 |
様々な文献や思想書、あるいは障害者を扱った小説などから、その時代背景の中で障害者がどう扱われ、あるいはどのように尊重されてきたかを事前に学んでおいて欲しい。
障害者を巡る諸問題に目を向け、課題意識を持って日常のニュース・新聞記事等から学んで欲しい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | オリエンテーション、この授業のめざすもの。人権についての基本事項。 |
第2回 | 障害者の処遇の歴史、世相に現れる障害者達(各自が話題提供し討議する) |
第3回 | 障害と医学の関係(各自が話題提供し討議する) |
第4回 | 障害と教育(世界の歴史)(各自が話題提供し討議する) |
第5回 | 障害と教育(日本の歴史) 特殊教育から特別支援教育、さらにインクルーシブ教育へ |
第6回 | 障害者と福祉(障害者と生活)(外部講師:働き、生活する当事者) |
第7回 | 障害者と雇用、社会参加の現状と課題(各自が話題提供し討議する) |
第8回 | 障害者の社会生活① バリアフリーとユニバーサルデザイン |
第9回 | 障害者の社会生活② 優遇措置と欠格事項、基礎的環境整備と合理的配慮 |
第10回 | 障害者の社会生活③ 様々な支援制度(障害者年金や雇用助成金) |
第11回 | 障害者と犯罪 様々な事例(各自が話題提供し討議する) |
第12回 | 障害者と家族・家庭(外部講師:障害児者の父母・兄弟姉妹) |
第13回 | 障害者と事故、戦争(各自が話題提供し討議する) |
第14回 | 障害者と人権(外部講師:障害を有する当事者) |
第15回 | まとめ及び授業内試験 |