比較文化演習Ⅱ
担当者上田 仁志教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [外国語学科 英語コース(2017年度以降)]
科目ナンバリングSEM-314

授業の概要(ねらい)

【日本人の曖昧さとは?:日本文化の特徴をさぐる】
参加者の研究発表を中心とする比較文学・文化のセミナーです。〈あいまい〉を切り口として、日本人の言語態度とその背景にあると文化風土を、海外との比較も交えて研究します。日常会話などの身近な例から始めて、小説や映画のセリフ、俳句などのさまざまな材料にあたって、日本人が知らず知らずに行っている〈あいまい〉な言葉遣いやコミュニケーションとはどのようなものか、その特徴を(メリット、デメリットも含めて)明らかにしていきます。さらに、そうした日本人の〈あいまいさ〉は、歴史的・社会的に見て、どのように生まれ、定着したのかを探っていきます。授業の進め方は、具体的テーマに即して、個人またはグループ単位で調査を行い、研究成果を発表するというものです。秋期セメスターでは、「個人の意見をはっきり言わない」、「和を重んじる」、「空気をよむ」などの〈あいまい〉な態度が、日本社会では重んじられる傾向がある一方で、海外からは不信の目で見られやすいのはなぜか、といったテーマを、先行研究をもとに探求する予定です。

授業の到達目標

1.研究テーマに見合った文献・資料にアクセスできる。
2.文献・資料の内容を適切に整理・要約することができる。
3.文献・資料に基づき、自分の意見・解釈を交えて、発表することができる。
4.他人の意見・解釈を踏まえて、自分の意見・解釈を再検討できる。
5.研究テーマを通して学んだものを文章にまとめることができる。

成績評価の方法および基準

成績評価は、平常点(小テスト・課題)30%、発表40%、中間・期末テスト30%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書使用しません。
参考文献

準備学修の内容

1.指定された文献・資料を読み、内容を要約する。
2.文献・資料の内容について、コメント文を作成する。
3.指定されたテーマについて、MELICで参考文献を調査する。
4.パワーポイントなどの発表資料を作成する。

その他履修上の注意事項

1. オリエンテーションを含む第1回目の授業は重要です。必ず第1回目の授業から出席してください。
2.出席は「完全カードリーダー制」です。入室時と退室時に学生証をカードリーダーに当てて読み取らせてください。

授業内容

授業内容
第1回山本七平『「空気」の研究』(1) 担当グループが内容を紹介し、テーマを提起する。
第2回山本七平『「空気」の研究』(2) 各グループがテーマについて検討し、発表準備を行う。
第3回山本七平『「空気」の研究』(3) グループ単位で発表し、その後、全体でディスカッションを行う。
第4回ルース・ベネディクト『菊と刀』(1) 担当グループが内容を紹介し、テーマを提起する。
第5回ルース・ベネディクト『菊と刀』(2) 各グループがテーマについて検討し、発表準備を行う。
第6回ルース・ベネディクト『菊と刀』(3) グループ単位で発表し、その後、全体でディスカッションを行う。
第7回秋期セメスター前半のまとめと復習テストを行う。
第8回中根千枝『タテ社会の人間関係』(1) 担当グループが内容を紹介し、テーマを提起する。
第9回中根千枝『タテ社会の人間関係』(2) 各グループがテーマについて検討し、発表準備を行う。
第10回中根千枝『タテ社会の人間関係』(3) グループ単位で発表し、その後、全体でディスカッションを行う。
第11回大江健三郎『あいまいな日本の私』(1) 担当グループが内容を紹介し、テーマを提起する。
第12回大江健三郎『あいまいな日本の私』(2) 各グループがテーマについて検討し、発表準備を行う。
第13回大江健三郎『あいまいな日本の私』(3) グループ単位で発表し、その後、全体でディスカッションを行う。
第14回秋期セメスター後半のまとめと復習テストを行う。
第15回セメスター全体を振り返り、〈あいまい〉というキイワードを通して、日本人と日本文化についてわかったかことを短文にまとめる。