比較文化演習Ⅰ
担当者上田 仁志教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [外国語学科 英語コース(2017年度以降)]
科目ナンバリングSEM-313

授業の概要(ねらい)

【日本人の曖昧さとは?:日本文化の特徴をさぐる】
参加者の研究発表を中心とする比較文学・文化のセミナーです。〈あいまい〉を切り口として、日本人の言語態度とその背景にあると文化風土を、海外との比較も交えて研究します。日常会話などの身近な例から始めて、小説や映画のセリフ、俳句などのさまざまな材料にあたって、日本人が知らず知らずに行っている〈あいまい〉な言葉遣いやコミュニケーションとはどのようなものか、その特徴を(メリット、デメリットも含めて)明らかにしていきます。さらに、そうした日本人の〈あいまいさ〉は、歴史的・社会的に見て、どのように生まれ、定着したのかを探っていきます。授業の進め方は、具体的テーマに即して、個人またはグループ単位で調査を行い、研究成果を発表するというものです。春期セメスターでは、日常の会話などで経験したことのある〈あいまい〉の事例、日本語と英語との構文比較、映画・ドラマのセリフの分析など、コミュニーケーションと言葉の構造の〈あいまい〉に焦点をあてる予定です。

授業の到達目標

1.研究テーマに見合った文献・資料にアクセスできる。
2.文献・資料の内容を適切に整理・要約することができる。
3.文献・資料に基づき、自分の意見・解釈を交えて、発表することができる。
4.他人の意見・解釈を踏まえて、自分の意見・解釈を再検討できる。
5.研究テーマを通して学んだものを文章にまとめることができる。

成績評価の方法および基準

成績評価は、平常点(小テスト・課題)40%、発表40%、期末テスト20%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書使用しません。
参考文献

準備学修の内容

1.指定された文献・資料を読み、内容を要約する。
2.文献・資料の内容について、コメント文を作成する。
3.指定されたテーマについて、MELICで参考文献を調査する。
4.パワーポイントなどの発表資料を作成する。

その他履修上の注意事項

1. オリエンテーションを含む第1回目の授業は重要です。必ず第1回目の授業から出席してください。
2.出席は「完全カードリーダー制」です。入室時と退室時に学生証をカードリーダーに当てて読み取らせてください。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション:授業のテーマ、到達目標、進め方について説明を行う。自己紹介をとおしてお互いを知る。
第2回コミュニケーションにおける〈あいまい〉(1) グループ内で身近な体験事例を紹介する。
第3回コミュニケーションにおける〈あいまい〉(2) 体験事例に考察を加えて短文にまとめる。
第4回コミュニケーションにおける〈あいまい〉(3) グループ単位で事例をまとめて発表する。
第5回日本語表現における〈あいまい〉(1) コミュニケーション態度の〈あいまい〉の事例を説明する。
第6回日本語表現における〈あいまい〉(2) 言葉遣いの〈あいまい〉の事例を説明する。
第7回日本語表現における〈あいまい〉(3) 構文の〈あいまい〉の事例を説明する。
第8回英語表現との比較(1) グループ内で日本語の〈あいまい〉表現を英語と比較して説明する。
第9回英語表現との比較(2) 日本語構文と英語構文の基本的な違いを短文にまとめる。
第10回英語表現との比較(3) 日本語と英語の比較に基づき、〈あいまい〉についてグループ発表する。
第11回映画・ドラマのセリフ(1) 小津映画のセリフ(家族の会話)の特色を説明する。
第12回映画・ドラマのセリフ(2) ドラマ『セトウツミ』のセリフ(高校生の会話)の特色を説明する。
第13回映画・ドラマのセリフ(3) 米ドラマ『ニュースルーム』(職場の会話)の特色を説明する。
第14回映画・ドラマのセリフ(4) 映画・ドラマの事例に基づき、日米のコミュニケーションの特色を説明する。グループ単位で発表する。
第15回春期セメスターのまとめと復習テストを行う。