政治社会学Ⅱ
担当者山口  仁
単位・開講先選択  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSOC-217

授業の概要(ねらい)

 “政治”の定義の仕方は多様である。その一つに「集団全員を拘束する共通の決定を行うこと」というものがある。この定義に基づけば、集団全員が守るルール(例えば法)を制定し、そのルールに基づいて集団(≒社会)を統治していくことが“政治”である。
 多種多様な人々によって構成され、様々な利害対立が生じる可能性の高い大きな社会では“政治”をすることが必要になってくる。逆にいえば“政治”をすることが出来たから、人間は他の生物に比べて大きな社会を形成することができたともいえるだろう。
 この授業では特に政治が行われる社会過程(人々や組織の諸活動)に注目する「政治過程論」を中心に専門的な解説を行っていく。

授業の到達目標

 政治過程に関する現象に関する概念的・理論的な理解が出来るようになること。具体的には、所定の時間内に政治過程論の諸概念を用いながら政治問題について所定量の論述ができるようになること。

成績評価の方法および基準

 授業内レポート(30%)、期末試験(70%)。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『よくわかる 政治過程論』松田憲忠・岡田浩編ミネルヴァ書房、2018年
参考文献(2012)『現代政治学 第4版』加茂利男・大西仁・石田徹・伊藤恭彦有斐閣アルマ

準備学修の内容

 テキストの予習・復習(範囲については授業内で指示する)
 授業で扱わないテキストの精読(範囲については授業内で指示する)

その他履修上の注意事項

 講義中、他者の権利を侵害したとみなされる学生、もしくは受講態度に甚だしい問題がある学生に対しては退出を命じることがあるので注意すること。
 なおこの授業に関しては先に「政治社会学Ⅰ」を受講しておくことが望ましい。

授業内容

授業内容
第1回 政治を社会学的にとらえるとは:政治過程論
第2回 政治過程論の視座
第3回 社会における政治過程:市場メカニズムの失敗と政府の役割
第4回 政治過程における様々な主体(アクター)①:政党の機能と政党システム
第5回 政治過程における様々な主体(アクター)②:政治家とその活動
第6回 政治過程における様々な主体(アクター)③:圧力・利益団体
第7回 政治過程における様々な主体(アクター)④:制度的主体としての行政・司法
第8回 投票行動の理論:投票参加のメカニズム
第9回 政治文化とメディア、世論:マス・メディアからソーシャル・メディアへ
第10回 政策過程モデル①:課題設定から政策決定へ
第11回 政策過程モデル②:政策実施、そして政策評価へ
第12回 政策過程モデル③:政策過程における意思決定に関する議論
第13回 政策過程モデル④:アクター間の相互作用に関する議論
第14回 現代の社会問題と政治過程
第15回 総括・ふりかえり